第193話 3人チーム観賞


一段落したので、別の配信を探すヤクシ。


「キュ」


どうやら見つけたらしい。ダンジョンのライブ配信って結構やってんだな。


「あ、この人たち知ってる」


おや、珍しくご主人が知ってる人たちらしい。


有名探索者とか興味ないご主人が知ってるだなんて………あれ?視聴数26人?有名な奴らじゃないのか?


「見えるけど物理担当の人と見えないけど居るだけで浄化しちゃう人と雑魚処理担当魔法使いの人だ」


「にゃ?」


何を言ってるの?


「幽霊が見えるけど物理攻撃しか出来ない剣士の人と、幽霊見えないけど居るだけで浄化しちゃうヒーラーの人、雑魚処理用の範囲魔法しか使えない魔法使いの人の幼馴染みチームなんだよ」


「キュー?」


詳しいね?とヤクシも不思議そうだ。


「うちの学校の卒業生で、先生が教材としてこの人たちの動画流して戦闘の解説してたんだよね。ついでに当時の失敗談とか面白い話とかも色々」


「にゃぁ」


「キュー」


俺もヤクシも納得した。


「配信見る限りじゃ剣士の人も魔法使ってるし、魔法使いの人も……あれ?属性が増えてるだけで範囲魔法しか使ってないね」


「うにゃぁ」


画面越しだからよく見えないけど、変なユニーク持ちなのはわかった。


「ユニークかぁ、なら属性増やすしか手がないよねぇ」


「キュー」


範囲魔法使ってるけど魔力消費は軽そうだから、そこは救いだね。とヤクシが呟いてる。


「うにゃあ」


範囲魔法の範囲調節出来ないのかって聞いてみて。


ヤクシがコメントで流してくれた。


『…なぁ、範囲魔法の範囲調節出来ないのかって質問来てるぞ?』


『範囲調節?出来んの?』


『コマンド発動だから考えたこと無かったわ』


まぁ、普通魔法を使う時は魔法名を言えば勝手に発動するからな。俺達や高村が少数派なのだ。


「うにゃ」


ミロクの名前出して、魔力操作教えてやればいい。


「キュー」


ヤクシは了解と言って、コメントに長文打ち出した。


画面の中の3人は、階段で足を止めている。


『は!?』


『どした?』


『いや、お前らもコメント見ろって!』


凄く驚いてるようだ。


『魔力を感じるって何!?魔力を動かすとは!?動かせんの!?』


『お?おぉ?出来た!』


『なんで剣士のお前が出来んの!?』


画面の中ではコントが行われているようだ。


「え、凄い。そういえば剣士の人って直感とか鋭いって先生が言ってたなぁ。理論はわからないけどやってみたら出来ちゃうタイプで実技は良いけど筆記がいつもギリギリだったとか、でもマークシートになると高得点出すとか……感覚派の天才型って居るんだなぁって思ったもん」


あー、アニメのキャラに居そうなタイプ。


『なんか、こう、グッとやってすぅっと流すみたいな感じ!』


「ミロクとおんなじこと言ってる」


「にゃっ!?」


俺こんな頭悪そうなこと言ってないよ!?


「え…?」


なんでそんな、嘘でしょ?みたいな顔するの?え?俺、もう少しマシな説明してるよね?

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