第191話 ストレス発散の高村観賞


『グガァァァァッ!』


『ほら、さっさと逃げなさい。あなた方が邪魔で強い魔法が使えないんですよ』


怒り狂いながらも痺れて動けないレッドオーガと、呆然としてる男2人、そして余裕綽々な高村。


コメントは大歓声で大歓喜、雷帝キターと凄い速さで流れていく。


「うにゃ」


やっぱりどうみてもラスボス。


「まぁ、強者感はあるよねぇ」


「キュー!」


胸熱展開キター!とヤクシははしゃいでる。


高村は腕に取り付けた端末を見てニッコリ笑った。


『どうやら推しが見ているようなので、あなた方もう少し離れてここに居なさい。カメラが必要です。これは実質推しとのコラボです、喜びなさいレッドオーガ…炭にしてやりますよ』


「あの腕のやつでミロクの配信見てるんだね……あれ?コラボってこういうのだったかな?」


「にゃ」


ダンジョンで配信見ながら探索すんな。


「キュー」


コメントも困惑してるね。とヤクシも呆れてる。


『ほら、邪魔です』


高村は男2人の襟首を掴んで後ろにポイっと投げた。ポイっと投げたのに凄い速さで飛んでったけど。


『さぁ来なさい。なるべく楽しんで貰いたいので直ぐに死ぬんじゃありませんよ?』


『グオォォォォッ!』


やっと痺れが取れたらしいレッドオーガが高村に迫る。


「うわぁ、地面割れてる、見えないし」


「にゃ」


俺は見えてる。


「キュー?」


高村は魔法使い?


「高村さんはね、叔父さん命名だと殴り大賢者だよ」


『遅い、せめて音速超えてから私に近接挑みなさい』


レッドオーガが迫ってる間にバチッという音がして、高速移動した高村がレッドオーガの背後に現れてた。


そのまま足払いして、レッドオーガが倒れるまでの間に前面に移動して高速でレッドオーガの腹を殴りまくってる。


「ぜんぜん見えない」


ご主人が残念そうに言うので、一連の動きを説明してやった。


ヤクシはそれをコメントで流してた。解説ニキありがとうとか言われてる。


『ちょうどあなたみたいに頑丈なサンドバッグ探してたんですよ!』


勢いよく吹っ飛んだレッドオーガなんだが、まだまだ元気だ。


何故なら高村、移動にしか魔法を使って無いのだ。素の身体能力だけでボコしてるのだ。


だから攻撃力としては低い。


でも反撃の余地なく殴られまくってるレッドオーガからしたら、はよ終わらせてくれって感じかもしれない。


『死ぬほど勉強させて!試験も合格してるのに!復帰後の初探索で!何故うっかり間違えてボスドロップの呪い武器使っちゃうんだ!馬鹿じゃねぇのか!くそがっ!』



「なんか、うちの叔父さんが申し訳ない」


「うにゃぁ」


ドンマイ高村。


「キュー」


知ってた。ってヤクシがコメントを流した。


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