第186話 報告までが訓練です


一抹の不安を感じなから、転移陣からダンジョン入り口に戻った。


でも、帰るまでが実習です。


洗浄魔法で泥を綺麗にして、時間とバスの時刻表を確認する。


「あと15分くらいでバス来るぞ!」


「ちょっと急げば間に合うな」


というわけで、ちょっと早歩きしながらバス停に行き、バスに乗って学校近くに到着した。


まだ8時くらいだから通勤の人とか沢山居るが、他の帰還中チームは居ないようだ。



学校の校門前には今回の納品報告のために長机が設置されてるので、そこに納品報告するのだ。


「納品報告お願いします!」


三井君が代表で先生に報告する。


「お、早いな?お前らが一番だぞ?」


「めっちゃ面倒だった!だからボス倒して帰ってきたんだぜ!」


「あー、お前らならあそこのボスは大丈夫だな、よし!納品確認できたぞ。他のドロップ品とかはどうする?」


「あ!ナマモノあんだけど?ロブスター」


「それは自分たちでギルドに売ってくれ、学校ではまとめて渡してるから腐りそうだ」


肉とかなら謎ラップを剥がないと劣化はしないらしいけど、ロブスターはそのままだったしね。


「じゃあ道中のドロップ品とかだけ出す」


というわけで、魔石やドロップ品を出した。


「微妙にドロップ品が多いな?」


「あ、そういや先生…俺達ボスの宝箱で収納鞄出た。容量小さいけど」


「あ、僕は鑑定モノクルでした」


「微妙にレア品出てるな…まぁ容量小さくても収納鞄持ちってだけで探索者としてはプラスだからな、神木も鑑定アイテム有りと追記しておく」


収納鞄とか鑑定アイテム持ちは探索者として活躍しやすいから、学校では生徒の情報として記録してる。


将来クランや企業へ就職するときに学校からのデータとして渡すことも出きるのだ。


内申点アップみたいなもんだから、生徒はちゃんと報告する。


まぁ個人で探索者やるなら必要はないかもしれないけど、実はギルドにも情報は渡してあるらしいから、結構重要なのだ。


「でも、鑑定モノクルとかミロクが拗ねそうなんですよねぇ」


「あー…チームで活動する時は有ったほうが便利だからと納得してもらうしかない」


「安田氏、きっとわかっていてもミロク氏には譲れぬ何かがあるのでござるよ」


「ミロクは猫だもんな!猫が変なとこでキレるの、理不尽って思うことが結構あるぜ!」


あれ?三井君も猫飼ってたかな?


「三井君家にも猫いたの?」


「田舎の爺ちゃん家に5匹も居るんだよ!俺めっちゃ猫に嘗められてる!」


5匹……凄い。


「はいはい、雑談は別なとこでやれ。今日この後からと明日は休みだから、しっかり休息をとること!休み明けにはレポート提出だから忘れんなよ!」


っと、先生に帰れと言われてしまった。


ミロクたちも待ってるだろうし、さっさと帰ろうかな。

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