第185話 泥人形とボス
書けるとこまでレポートを書いて、暇と戦いながら時間を潰してると、朝になった。
「僕、朝食の準備するね」
「頼むでござる」
ベーコンを炒めて食パンの上に乗せて、その上に黄身とろとろの目玉焼き、粉チーズと塩コショウで味付け。
お湯も沸かしてインスタントのコーヒーも用意したよ。
「凄くいい匂いがする………」
「おはよう皆…」
どうやら2人も起きたみたいだ。
2人が顔を洗ったりしてる間に僕と野田君は食べてしまう。
三井君達が食べてる間にマットレスに洗浄かけてしまって、使わない道具から片付けしていく。
「キャンプ用品は便利でござるが、収納鞄がないと持ち運び出来ないのが残念でならぬなぁ」
「小ダンジョンでストレージか収納鞄くださいってお祈りしながら攻略するしかないよね」
因みに、言葉に出した方が効果的とかいうミロク情報がある。ダンジョンさんはお客のニーズに応える優しいダンジョンさんなのだ。
「旨かった!ありがとな神木」
「ごちそうさまでした」
食べ終わった2人が、綺麗にした皿や折り畳み椅子を持ってきてくれたので収納。
「んじゃあ、最後の1個とりに行こうぜ」
「昨日泥人形を倒した場所で一番近くに移動するでござる」
野田君の案内に従って、しばらく歩いて泥人形を発見した。
昨日と同じく倒すのは面倒だけど強くはないので、普通に倒せたんだけど……
「これは望んでねぇんだけどな?」
「コアが落ちるとか珍しすぎるが、今じゃない」
「一応レアドロップではござるが、嬉しくないでござる」
「また泥人形倒さなきゃ…」
泥人形と再度戦わなきゃいけない面倒さで、レアドロップが嬉しくない件。
野田君の案内で次の場所で泥人形を倒すと、魔石のみ。
ちょっとげんなりしながら次を探して倒すと、やっと陶芸用泥がドロップした。
「9階入り口が反対方向でござる…」
「10階ボス倒して戻るか」
「そうしよう、帰りでモンスターを相手にするより早い」
というわけで、10階でボスを倒して戻ることになった。
ここの10階は沼地というか、田植え時期の田んぼ位の場所だ。凄く動き難いけど、僕は何故か汚れない。
そしてモンスターは…
「でっけぇザリガニだなぁ!」
「相手は固いので某の攻撃は効かないと思ったほうが良さそうでござる」
確かに野田君は短剣だもんね。うちのチームって打撃系が居ないよね。
「乗用車サイズのザリガニだ、挟まれないようにな」
「いや、あのハサミ隙間あいてね?まぁ挟まれたくはねぇけど!とりあえず皆、ダメージは魔法で入れるってことで!」
戦闘開始。
初手野田君がトリモチ爆弾ってアイテムをザリガニのハサミに投擲。右のハサミの開閉を封じ、僕は一瞬だけ剣に属性魔力を流して強化したスラッシュで左ハサミの関節を切り、左ハサミの部位破壊成功。
魔法を当てながら走り回る銀に翻弄されながらも、テイマーである三井君を狙ってザリガニが走る!
「ザリガニ意外とはやっ!?」
「受け流すぞ!」
防御魔法でザリガニを斜めに反らした安田君には三井君が防御力アップのバフをかけてある。防御魔法でもぶつかった衝撃は来るからバフ貰っとかないと、今のレベルじゃ腕の骨が折れたりするらしい。
受け流されたザリガニは、ダンジョンの壁にぶつかってひっくり返ったけど…
「きっもっ!」
「神木氏!そんな力いっぱい叫ぶより攻撃チャンスでござる!」
いや、だって、ねぇ?
足がうごうごしてるんだもん、気持ち悪いよね?
近寄りたくないので魔法を当てよう。火魔法でなんだか外郭が赤くなってる気がするけど………なんだかエビを焼いてるような匂いもしてきたな?
「あ、終わった」
焼きザリガニになる前に靄になって消えたけど、ドロップ品にザリガニ……いや、ロブスターだこれ。
ロブスターが丸々ドロップしてる。しかも人数分だ。
「これ食えるザリガニじゃね?あの、何とか料理に出てくるやつ」
「ロブスターくらい知っておけ」
「それだ!ロブスター!え?1匹ずつ持って帰って食えってこと?」
「売るという選択肢を思い出すでござる」
「グレイに調理してもらおうっと」
一応ナマモノだし、僕の収納鞄に入れとくことにして、宝箱のお時間だ。
ダンジョンさん、チームの時は人数分の宝箱をくれる。たまにくれないときもあるが、だいたいは貰える。
それぞれが開けてみると、僕は鑑定モノクルだった。ぜんぜんダンジョンとの関連性がないアイテムだった。
そして、他3人は収納鞄の小だった。大きさ的には乗用車の車庫レベルで時間経過がちょっと遅いタイプらしい。
早速鑑定モノクルが役に立ってしまった。
………あれ?この鑑定モノクルって、もしかしたらミロクが拗ねるのでは?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます