第183話 キャンプではない


一応自分に洗浄をかけて、薪に火をつけてヤカンでお湯を沸かす。薪以外の木の枝はミロクが公園で拾ってきたらしい。


その間にオーク肉をスライスして、冷凍してる野菜等を取り出す。


お湯が沸いたらヤカンをどけて鍋を火にかけて野菜とオーク肉と冷凍しためんつゆを投入。ついでに別な鍋に水を入れてチルドご飯を湯煎。


簡単な豚丼お肉たっぷりバージョンだ。めんつゆって便利だよねぇ。


洗い終わった皆から金属のマグカップを受け取り、インスタントスープの元を入れてお湯を入れたらスープは完成。


金属の深皿に温まったご飯を入れて、その上にお肉をドーンと乗っける。


「おぉぉぉっ!」


「さすが神木氏でござる!」


「助かる、片付けはするからな」


お肉にテンション上がったらしい3人。銀は魔石だけらしく、もうモンスタールームに入れたそうだ。


「まぁ僕だけ泥つかなかったからね」


ヤクシ布で作られた服はセット効果でうっすら魔力ガードがあるみたいだ。だから顔や髪、ヤクシ布じゃない猫耳ポンチョまでガードされて泥がつかなかった。


「話には聞いてたが、こういう所だと分かりやすく高性能だな」


「だよなぁ、だいたいミロクが過保護すぎんだよ」


「いやいや、ミロク氏にとっては大事なご主人でござるし」


「ミロクが過保護というより、幸運過ぎて危険がないって感じ」


「「「それ!」」」


皆、やっぱりミロクの運がおかしい思ってたんだ。


「てか、この豚丼旨いな!」


「めんつゆって便利だよねぇ」


「めんつゆだけでござるか!?」


「これ、甘いめんつゆだな家で使ってるやつだ」


そうそう、甘いやつ。出汁とか味醂とか色々めんどくさいから甘いめんつゆで解決してる。


「1人の食事で繊細な味付けとか必要ないしね、めんつゆでじゅうぶん美味しいし」


ただ、今はグレイが凝った料理してくれるから、レパートリーは増えたよ。


チキンソテーのオレンジソース煮とか、ガパオライスとか、ダンジョンさん家レシピ以外にネットからもレシピ引っ張ってるっぽい。


「そういえば、グレイがパウンドケーキ待たせてくれたんだった」


「デザートまであんのかいっ!ダンジョンに何しに来とんねん!」


「「「あ…」」」


とうとう佐藤さんがツッコミを我慢出来なくなったらしい。


保護役に渡されてるらしい光学迷彩アイテム(気配察知には引っ掛かる)で、姿は見えなかったけど近くには居る。


「……なんもあらへん!」


うん、無かったことにしてあげようね。


「えーと、パウンドケーキ食べるよね?」


「「「……うん」」」


なんか3人に、えぇっ?って顔で見られてるけど、スルーしてあげるのが優しさだと思うよ?

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