第180話 夜営訓練前日
結局、僕らのチームは僕の計画書を基本にして、提出した。
移動にはバスなんかを使わないと大変な場所にあるダンジョンを選ばれてるから、集合時間やバスの時間なんかも全部逆算して、最低金額でも無理の無いプランを考えさせられたからね。
ついでに提出する予定のドロップ品以外に取得したものを売った時の金額で、どれだけ何を取得してくれば黒字になるかも計算したよ。
実際に探索者になったとき、移動の料金より換金料が低いってことがあったら生活出来ないぞ!って、ミロクが必死だった。
きっと僕はなぁぜなぁぜ?って言っても良かった。
基本的にダンジョンに入れば1階層を進んだ分の魔石だけでも黒字になるもんだからだ………いや、よほど弱くてスライムしか倒せないって言うなら赤字かもしれないけど。
ミロクはいったい何を心配しているのか、全くわからなかったけど、良い経験にはなったから気にしないことにしよう。
「そんなわけで、明日からの夜営に向けて準備します!」
ポーチにキャンプセットがあるんだから、食材持っていけば簡単な料理は作れる。
スープもインスタントのやつで、お野菜はカットしてフリーザーパックに入れて凍らせればいいし、調味料とか油とかもポーチに入れて、お肉はダンジョンのドロップ品で良いよね。行くダンジョンにはオークが出るし。
「颯人様、パウチのご飯とパン、インスタントのコーヒーも持っていけ」
「ありがとう」
「キュー?」
キャンプかな?ってヤクシが首を傾げてるけど、ダンジョン内だからこそ温かい食べ物って大事だと思うんだよね。
「うにゃにゃ!」
ご主人、結界石とヤクシの毛を合成した毛布と、ふかふか防水マットレス持ってけ!
「ありがとう……?」
あれ?夜営がなんか快適になるようなアイテムを渡されてしまった。
「にぁぅん…」
モンスターレーダーのレシピが欲しいな…ってミロクが呟いたけど、どれだけ僕の夜営訓練を快適スムーズに終わらせたいんだろう?
「うにゃぁ…」
ご主人、他の人が居て寝れるんだろうか…やはりミロクが添い寝に行くべきかな…等とぶつぶつ言ってる。
「着いてきちゃ駄目だよ?」
「…………にゃ」
一応釘を刺したけど、返事まで間があった。
グレイにミロクが行かないように気をつけておいて貰おう。不安しかないね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます