第179話 計画書完成と提出


学校で教わる基本の計画書例を見せると、こんなんで良いのか?って顔をされてしまった。


多分、ミロクが基準にしてるのは高村さんの旅のしおりだよね?あれを学生に作れってのは無理だよ。


「うにゃにゃ」


せめてダンジョンのモンスター分布とかは付けるべき。出来ればドロップ率から予想討伐数に、討伐の効率的なルート説明も欲しい。


そんなこと言ってるけど、ミロクはいつも行き当たりばったりだよね?


「にゃぅん」


何時から討伐に入って何時で切り上げて夜営始めるのかとか、見張り順とか理由も書いて決めとくべき。


「ミロク、なんでそんな夜営とか決めるべきこと知ってるの?」



「うにゃ」


ファンタジーを嗜んでるから。ってファンタジー凄いな?僕はそんな詳しいファンタジーのお話読んだこと無いけど?


「にゃ」


異世界転生の地道に冒険者やる系小説は詳しい。へぇ、探索者の基本が参考にされてるのかな?今度読んでみよう。


「にゃぅん」


ご主人は時々うっかりさんだから細かくやった方が良いって言われたら、僕も不安になって来たじゃないか……


「自信無くなってきたから、もう少し細かく調べるよ」


「にゃ」


そうしろってミロクは気を遣って部屋を出ていった。



結局、僕の計画書はミロクのオッケーが出るまで追加資料が増えまくってしまった。



でも先生に凄く褒められてしまった、理想はここまでしっかり作り込むのが正解だけど、全部ここまでやってたら大変だから、スマホで即時調べられる資料の添付は要りませんよ、とも言われてしまった。


だからつい、うちの猫が計画書なら事前に出きることはやっとくべきだって言って…って言い訳してしまった。


その時の先生の表情は、なんとも言えない感じだったけど、一言「猫とは?」と呟いてたから、なんか悪いことしたなって気持ちになったよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る