第175話 そういう気分じゃなかった
俺は1人で小ダンジョンに入る。
猫たちはヤクシたちが引率でついてった、俺もと思ったんだけど、俺の教え方がわからないと野良猫たちにブーイングされたので、1人なのだ。
独りじゃない、1人……1匹って意味だ。ボッチじゃないのだ!
いや、孤高の猫もカッコよいのでは?
「うにゃにゃにゃぁん」
動物の進化でも一般的な情報入れて欲しいなーっと言いながら道を進む。
「にゃっ!?」
なんかケセランパサラン?みたいなの居る!?
真っ白しろすけでも良い!
なぁにこれぇ?
………聖霊?聖属性の精霊のかけらみたいな浮遊物って鑑定で出てきたけど、非生物系ノンアクティブモンスター表示。
これ、たまにある小ダンジョンの属性魔法取得フィーバーモンスターだ。
ただ、コイツら……俺の毛にくっついて見分けがつかなくなる!静電気とかでくっつくワタみたいな!フワフワ空中に漂ってるから動く度に空気が動いてコイツらも動く!
くっそ!フワフワ浮いてるせいで猫パンチがヒットしない!宙に舞う埃かよ!
仕方ない!雷撃拡散!
ヂヂヂヂヂヂヂヂヂッと拡散された電気で焼かれた埃たちは、米粒魔石に変わって落ちた。
「にゃぁ…」
これ拾うの……とバラバラに落ちてきた米粒魔石にげんなりした。
まぁ拾うんだが。
拾いながら食べて、無事に聖魔法をゲットした。
聖魔法って何があんのかな?って思ってたら、浄化とか聖域展開とかだった。一応攻撃もあったけど、アンデッド以外だと属性無しの魔力を当てた程度のダメージしか出ないらしい。
……洗浄とかバリアで足りるような、また別なような魔法だ。アンデッド特攻ではある。
それだけの属性ってわけでも無さそうなんだけど、詳しい説明は無い。
なんか使って覚えて活用してね!ってメッセージを感じる。
「うにゃ」
思いもよらないスパチャをダンジョンさんに貰ってしまったんだが、本当のスパチャはここからだった。
ゴブリン倒してコアも壊したあと、いつものアナウンスで進化が出たのだ。
今のレベルは58で凄く中途半端なんだが?
その進化先が、聖獣だった。
「うにゃん!」
猫は俺のアイデンティティーだから猫は辞めない!
ちょっと怒りながら言ったら、聖獣(猫)になった。
ついでに詳細も表示された。
………うん、特に変わるとこは無いようだ。ちょっと煌めき、ちょっと神聖な感じがして、空が飛べるようになるけど翼は魔力で作られるやつだから実際に生える訳じゃない。
広範囲空気清浄機みたいな能力もついて、範囲内の犯罪率低下とか、ご主人にも良いことがありそうな感じ。
「にゃぁ」
でも俺、賢者猫の次は大賢者猫だと思って楽しみにしてたんだよなぁ。
いきなり聖獣とか言われても困るっていうか、そういう気分じゃないっていうかぁ。
あと報酬のスキルが状態異常無効ってのも悩みどころだよねぇ。
「……にゃぁん!」
……うーん、状態異常無効スキルに決定!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます