第163話 鳥獣人に事実を語る


「うにゃにゃにゃにゃにゃ」


どれだけ知識をインプットされてるかわからないし、協調性やら社会性やらが人間的なのか動物よりなのか色々調べられる1人目がお前なんだぞ。


「にゃにゃ?うにゃにゃにゃ」


獣人はペットなのか人として自立した生活させるのかとか決めなきゃいけないのわかってるか?ペットのインコと一人の人間じゃ生活にかかる費用なんか桁違いだぞ、もしかしたら飼い主はお前を手放す選択する可能性すらあるんだからな。


「えっ!?」


「うにゃ!」


俺はちゃんと生活費稼いでご主人に渡してるぞ!


「生活費渡せば良いのか!?」


「うにゃ」


初の獣人なのでどうなるかは知らん。


「キュキュー」


たぶん国としては警察犬とかレベルアップした動物に獣人化してもらって、生態を知ってから民間に情報提供する予定だったんだと思うよ、とヤクシがなんか賢そうなことを言った。


ハッ!警察犬が獣人化したらリアル犬のお巡りさんなのでは!?


「うにゃん」


まぁ色々言ったけど、俺を関わらせてるから良い感じに高村が調整してくれる気がする。


でも大変だろうなぁ。獣人を認めない人達も出てくるだろうし、逆に保護しろとか言う奴らも出てくる筈。


俺としては特別なことせずフラットな感じで付き合って欲しい。


見た感じ、動物的なとこは見た目と発情期があること、子供は鳥は鳥、猫は猫って感じの同種族獣人間でしか産まれないことくらいだ。ほぼ人間と言って良いだろう。



………グレイが牛の獣人と間違えられたらどうしよう。と一瞬不安になった。


「うにゃ?」


お前、自分がなんだと思ってる?鳥?人間?


「………人間かな?動物の鳥は近しい気はするけど同族って感じはしないし、たぶん鶏肉食える」


「うにゃ?」


そういえば、動物の言葉がわかるの?



「……いや、動物の言葉がわかると言うより君の首にかかってるボードの文字を読んでる」



あ、そういや翻訳ボード出しっぱなしだ。ご主人やグレイがいつものように翻訳してたから忘れてた。


「キュー」


ヤクシも、いつものようにご主人たちが翻訳してたから気が付かなかったらしい。見た目がホワイトボードだから俺の毛と同化して気が付かなかった可能性。


「にゃ?」


文字は読める、じゃあ算数は出来るの?


「…たぶん?数字はわかるし足し算とか引き算とかは知識にある」


「うにゃ」


たぶん、知識レベルのテストとか受けさせられると思う。心理テストとか、倫理観の確認や集団生活への適性検査とか。


それが問題無ければ、15歳だし、高校生として実際の社会に出して問題無いかとか見られて、ようやく自由が手に入るんだと思う。




やっぱり獣人選ばなくて正解だったな!


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