第158話 鳥発見!


スマホの地図を確認しながら捜索範囲に入った。


念のため翻訳ボードに紐を付けて首から下げといた。探索者にちょいちょい会うのだが、いちいちスマホで入力してると鳥を逃がす恐れがあるからな!



鳥っぽい匂いと人間っぽい匂いの混ざったような匂い……探せないんだが?普通に鳥は数多く生息してるし、今は周りに人間がいっぱい居る。




………雑穀っていうか、鳥の餌っぽい匂いするなぁ?これか?


ペットショップで袋越しに匂ったやつに似てる……と思う。


この辺だなぁ、枝に引っ掛かってるって言ってたし………ここは木に登って枝をぴょんぴょん跳び移る忍者移動をしてやろうじゃないか!


ニャンジャここに見参!


「にゃ!?」


うむ、今でかくなってるの忘れてた。大きさに合わせて体重も増えてるから、いつもの感じで枝を選んだらボキッと折れてしまった。


反省せねば……


枝は諦めて魔力板で移動しよう、森林破壊良くない。


いつもより丈夫に大きく作った魔力板の上をぴょんぴょん……というより軽やかさは無いからダッダッって感じか?ドスンとまではいかないくらいだな。


インコ時の写真を配布されてるんだけど、緑と黄色配色のインコだから山ではめっちゃ保護色。


いや、派手かな?飼い主からの情報としては人間の背中に羽が生えてて、耳も羽っぽくて髪が黄色で羽が緑、ついでに真っ裸らしい。


探すなら肌色だな!


ガサガサと枝葉を掻き分けながら探してると……突然目の前にケツが出てきた。


「うにゃぁ!?」


猫パンチ&跳び退きからのやんのかステップ!


「フシャァァァッ!!」



猫パンチでバランスを崩したらしいケツがズベシャッと地面に落ちた。


「ギャッ!?」


あ、鳥だ!起きた!


「うにゃ」


寝とけ、とスタンガン威力で雷撃を当てて再度気絶させた。


とりあえず、網をかけてゴロゴロ転がして絡ませる。逃亡防止は完璧だ、これで走れないし飛べない。


いつの間にか近くに来ていたらしき探索者たちが、何やらドン引きしたような顔をしている。


手伝ってくれないの何でだ。


フスンとため息ついてから、スマホでご主人に確保したと連絡を入れる。


しばらくして周りの探索者たちがスマホを確認し出したので、山狩りは終了だ。



首…は網で噛みにくいので、羽噛んで引き摺って移動開始。


「いやいやいや!俺達持つ!持つから!」


「流石になんか可哀想だし!」


「運ぶから!」



えぇ?


口を離せばべちゃっと落ちたが気にしない。


「うにゃ」


だが断る。翻訳ボードにもそう表示されただろう。


また羽を咥えて、邪魔されないうちにスタタタタッと逃げた。


これは俺が捕まえた獲物だから、ご主人に見せて自慢するんだ!


ちょっと擦れてボロっちくなるかもしれないけど、こんなデカイんだから仕方ない。

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