第157話 山狩り開始
「にゃぁ」
「おい!鳥狩りかぁとか言ってるぞ!?猫は大丈夫なんだよな!?」
どうしたグレイ?そんなに慌てた様子で叫ぶなんて珍しい。
『…猫は高村の推薦で呼んだが、猫が大丈夫かは確認してないな』
「あのー…」
ご、ご主人が恐る恐る手を挙げてる!?こ、こ、こんな人前で話せるのかご主人!
「山なら、その、マリモちゃんが、良いんじゃないでしょうか?」
『マリモ…ちゃん?というと……フォレストドラゴンか!』
「にゃ!」
マイクで叫ぶから耳キーンてなった!一部の人達……エルフに進化した人達も耳を押さえて顔をしかめてる。
耳が長くなった分だけ聴覚も上がってるようだ。
「マリモちゃん先輩が協力してくれるだろうか?」
「え、してくれるんじゃない?」
「うにゃぁ」
マリモちゃんは面倒くさいことしないと思う。
「良い感じの魔石を報酬にすればやってくれると思うよ?」
「あぁ」
「なぅ」
それならやってくれるだろうと俺もグレイも納得した。
とりあえず集まった人達は先に山に行って山狩り開始。俺達は家に帰ってマリモちゃんを説得してヤクシも一緒に猫馬車で山に向かった。
山の登山道入口付近に山狩り本部のテントがあって、到着を伝える。
遠見は枝が邪魔で木に登るより地面からの方が見通しが良かったらしく、察知組と組んで行動することになってるそうだ。
現在、察知や遠見で発見できてるのは野生の動物だけらしい。
山からめっちゃ「ピーちゃんピーちゃん」って聞こえるんだが、まさかインコの名前ピーちゃんなの?
『とりあえずーやってみるねー』
マリモちゃんはサクサク終わらせたいのか、近場の木に手を当てて魔力をフワッとしてスッとした。
『あー……わかったーこの辺の木の枝に引っ掛かってるーまだ気絶してるねー』
マリモちゃんが地図で山の中腹辺りを示した。植物は地図上の何処に自分が居るかわからないので、マリモちゃんが距離や方角から割り出したらしい。
だからこの辺という感じでしかわからないらしい。
というわけで山狩り中の人達に、だいたいの位置と木の枝に引っ掛かってることを通達した。
「うにゃ!」
俺も行ってくる!と言ってちょっと虎並みの大きさになって山登り開始。
俺は真っ白なので山では目立つ、野生では生きていけない見た目してるけど、家猫だから問題無し。
途中で出会った探索者たちが驚いていたけど、挨拶に一鳴きして抜き去った。
「うにゃぁん!」
鳥は俺の獲物だもーん!雀とかはご主人食べないし、ダンジョンの鶏肉は殺しあいな感じで狩りっぽくない。
山で鳥を捕まえるとか、猫の本能刺激しまくりなのだ。元は山猫を祖とするからハンターの血が騒ぐぜ!ってやつなのだ。
あ、ちゃんと捕まえるだけだってわかってるよ?でもちょっと首根っこガブッとやっても許されると思う。
これから起こるだろうお偉いさんの苦労の分まで、俺がガブガブしてやるのだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます