第155話 動物の社会参入
「へくちっ!」
む!?
「うへっ、ペッ、なに、ミロク?」
「なぅん」
「鼻と口に毛が……」
うむ、なんかケツが湿ってる気がする。
ご主人は顔を洗いに洗面所に移動して、俺はご主人のベッドの上で伸びをしてからリビングへ移動する。
時計を見ると11時だったので、時間的にはちょうど良い。だってご主人は朝飯を食べて無いのだ。朝昼飯に3時のおやつを摂取すればエネルギー的に充分だろう。
「ふわぁぁ…おはよー」
「おはよう、スッキリしたか?」
「まぁまぁかな?それにしてもミロクはいつの間に来てたの?」
「にゃぁん」
朝飯を食べてすぐだ。
「食べてすぐ寝るのは体に悪い……猫も体に悪いんだろうか?」
「颯人様、気にするところがずれてる」
「うにゃ」
ご主人はそれで良いのだ。
もう既にご主人の意識はご飯に向かってるので、言っても仕方ない。
「颯人様、高村様より連絡があった。税金関係でマスターの収入が颯人様の収入としてまとめて処理されそうだったのだがどうするか暇になったら連絡してくれだと」
「あー…他の動物飼いの人達はどうなってるんだろ?」
「ホームページでは仮としてテイムモンスター扱いだった、マスターは特例で自力でダンジョンに入って買い取りまで出来るから探索者免許証が発行されたらしい」
「うにゃにゃ!」
前足をタシタシしながら遺憾の意を表する。
我、猫であるからして!税金の恩恵など受けてはおらぬ!俺から取るなら野良猫からも住民税取るんかワレェ!の意である。
「うーん……でも所得があるから所得税は必要なのかなぁ?」
「にゃぁん!」
俺は知ってる!探索者免許証では自動的によくわからない金が引かれてるってことを!
「ギルド職員も給料が必要だろ」
違うのだグレイ!
「にゃにゃ!」
手数料や仲介料はちゃんと記載されてんだ!ついでにギルド職員の給料は、買い取った物を売った差額とか、オークションでの手数料とかで賄われてる!
「うん、まぁ高村さんにはそう伝えておくね」
「にゃ」
よろしくご主人。
それにしても、なかなか他のペット探索者の話を聞かないな?
コタローやコジローは元気に小ダンジョンに入って脳筋化してるってきいたけど、あいつらは元が軍用犬だしなぁ。
ピロピロリン!
ん?俺のスマホだ。
「うにゃ?」
高村?電話って俺が出れるわけ無いじゃん。
グレイにスマホを渡して出てもらい、スピーカーにしてもらった。
『申し訳ない!手を貸していただきたいんです!』
「どうかしたんですか?ミロクに電話なんて…」
『……獣人に進化したらしいペットの鳥が飛んで逃げました』
「……なんて?」
「うにゃ?」
「どこからツッコミ入れれば良い?」
『飼い主の話では、勝手に獣人を選択して勝手に小ダンジョンから脱出して、慌てて追いかけたところ、飛んでいく獣人化したペットのインコが見えたそうです』
…………やべぇじゃん!?何で俺に電話した!?
『察知系スキル持ちには探してもらいたいんです!ついでにライブ配信で目撃情報も募れて一石二鳥!』
………高村?実はお前、鳥のいる場所もうわかってるんじゃないか?発言が呑気すぎでは?
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