第153話 猫と静電気
一通り書類なんかの記載が終わったので、あとは鑑定機と買い取り書待ち。
その間にミロクが高村さんに雷魔法のコツを聞きたいそうだ。
「にゃ」
魔法を使ったのか、パチッと静電気みたいな音がして………ミロクの毛が広がりまくった。
「んっふっ…」
「ブフッ…」
高村さんも僕も笑いを堪えるのに失敗した。
ついでに書類が静電気のせいでミロクにくっついた。
「にゃにゃっ!?にゃ!にゃ!」
「アハハッ!」
取って取ってとミロクが僕のところに来るんだけど、紙がくっついてるせいなのか、よたよたとあらぬ方へと進んでいく。
「うなぁっ!?」
真っ直ぐ進まないの何で!?とミロクも混乱してるみたいだ。
「んふっ、失礼しました」
高村さんがミロクから紙をはがして、軽くミロクの背中を撫でたら毛の広がりも無くなった。
「今のは典型的な雷魔法の失敗ですね」
フスンと鼻ため息をついて話を聞く体勢になったミロク。
「制御が難しいのは魔力操作を頑張ればある程度改善するんですが、それだけだと雷魔法を使っても静電気みたいなものしか出来ないんです」
高村さんは、一応雷魔法の情報を伝えてはいるそうなんだが、他の人達は魔力操作のほうが駄目で使えないらしい。
魔力操作、難しいもんねぇ。マリモちゃんたちが居なかったら使える自信無いもん。
あと説明はダメダメだけど魔力が見えるミロクが居たから練習の効率とか成果とかがわかるってのが大きい。
高村さんは威力を上げたらユニーク生えて制御可能になってから魔力操作スキルが出たらしい。
「ミロク君は魔力操作出来ますからあとは頑張っていただいて、威力を上げるのは雷魔法が電気エネルギー魔法ってことを理解すれば上がりますよ」
「うにゃ?」
「小学校の理科で習う範囲だと思いますが……磁石とかコイルとかそういうやつです。マイナスとプラスがあって…とか、この辺を理解すれば上がりますよ」
「うにゃ」
バチッ!と激しい音がして、ミロクがバチバチしてる球体……サンダーボールを発動させていた。
「………まぁ、何故電気について理解してるのかは置いておきましょう、成功ですね!一度成功すればあとはもう他の魔法のように感覚で使えますよ」
第一歩が大変なだけなんですよね、と高村さんは笑ってた。
いやいやいや、こんな簡単に使えるなら世の中の雷魔法持ちが苦労してるわけないでしょ!
「ミロク……またなんかユニークついてない?」
「にゃ?………にゃ」
首を傾げてから免許証を確認したミロクは、神妙な顔して生えてたと頷いた。
「うにゃにゃ」
「僕と契約して魔法にゃんこになってよ……また変なスキル名だね」
「うにゃ」
ミロクもこくこくと頷いてる。
「うにゃにゃー」
「全魔法属性取得に、魔法発動に補助、ついでに魔法攻撃威力アップ……大盤振る舞いすぎではぁ?」
「主にひっかくしか使わないマスターには宝の持ち腐れ……いや、猫に小判か?」
「あのひっかくは魔力爪ですからユニークスキルの効果範囲内だと思いますよ?ユニークってそういうとこありますから」
流石ユニーク持ち先輩の高村さん、詳しいね。
「……うにゃにゃ」
ミロクは契約する前から魔法使ってるし、なんなら賢者猫だぞ。って免許証にのってるユニークスキルに訴えている。
そうだよね、元々魔法にゃんこだもんね。
でも、ユニークスキルにツッコミ入れても意味がないから諦めようね!
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