第151話 高村は恩返しが倍返し


エクストラスキルですか……そういえばダンジョン初期の、まだ探索者免許証も無い時期にランダムスキル石から変なスキルが出たとかいう話があったような?



そもそもランダムスキル石が何年かに一度見るか見ないかくらいのレア品ですからねぇ。


颯人君……というか、ミロク君の幸運が凄いです。


ミロク君たちの動画編集が終わったらグレイにテロップ作成依頼を出して、あとはレベル対応型ダンジョンについての報告書をギルド長に上げときましょう。


ドロップ品などは本部で売るようですし、待ってれば会えますね。


それまでに世界各国の機密情報巡りをしてミロク君たちや日本に害意が無いか確認します。


それが終われば日本国内の情報精査です。


颯人君には話してませんけど、彼のご両親の様子を盗み見てしまいまして……彼等には絶対に颯人君たちの情報が入らないようにしてます。


いや、だって、ねぇ?彼等は研究特区内の家族用住居施設で現在10歳の双子男女と4人で理想の家族やってるんですよ。


調べてみたら颯人君の実の弟妹だそうで、あのダンジョンしか興味ないご両親が、研究所の部屋を出て研究所のある特区内に住居を用意して、産休や育休をとり、きちんと家に帰り、休みの日には特区内の娯楽施設に遊びに出かけるのです。


最初見た時はもう、コイツらの研究データ全部吹っ飛ばしてやろうかな?と本気で思いました。


数日、観察してみると子煩悩の親みたいな感じでしたけど、颯人君のことは話題にものぼらないんですよね。


すっかり忘れて楽しい家族生活送ってるんです。


まだ颯人君が祖父母に育てられてた頃にこれを見つけて、颯人君に遠回しに両親のことを聞いてみたら……顔も知らないので他人です、と言われました。


というわけなので、今更颯人君のことを気にされても困りますし、特区全てに颯人君たちのことが伝わらないようにしています。


まぁ、あそこはネット回線に制限かかってるので楽勝でした。


勿論!新発見情報やミロク君たちの会見も特区だけ流してません!特区の奴等は研究のためなら何をやっても許されると思ってる社会不適合者ばかりですからね!自衛は大事なのです!


私も雷魔法の制御に成功したことで魔法の研究者から追いかけ回された過去が有りますから、奴等に容赦は必要無いのです。


そもそも、そういう研究者を一纏めにして管理したいってことで特区が出来たので、自分から入るのも居れば強制的に入れられるのも居ます。


世間一般的には機密情報漏洩を防ぐためとなってますけど、元を辿ればただの隔離政策ですね。だから情報遮断も楽勝なのです。


因みにですが、颯人君たちの生活費は私が手を回して勝手に振り込ませてます。家は祖父母の家を改築したもので、神木が金を出してましたしね。


神木の家に遊びに行って出会った小さな男の子と、一緒に作ったオモチャのソーラーカーが雷魔法制御のヒントになりました。あれがなければ私も他の方々と同じく使えなかったでしょうから、ある意味恩人なんですよね。


とりあえず、ミロク君と雷魔法がお揃いになったので神木に自慢メッセージ送りましょう!

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