第149話 ドジなのは血筋かもしれない


ジェネラルはヤクシとマリモちゃんが相手してくれてる、クイーンの抑えはグレイで、僕はキングと向かい合っている。



「でっかいなぁ」


『グルァァァッ!』


うるさっ!?


っと、ちょっと体が麻痺ってる!?咆哮の硬直が少し入ったみたいだ。


「キュ」


「ありがとヤクシ!」


ヤクシが回復してくれて、僕はギリギリオークキングの拳を避けることができた。


危なかったね、今の。


でかくて見た目肥満体型なのに実は筋肉で素早いし力も強い。でかいのに素早いとか反則だよね。


拳を避けるついでに剣で切ってるけど、皮膚も分厚くてカスダメな気がする。でも懐に入る隙がなかなか無いんだよねぇ。


チラッと周りを確認したら、ナイトはあと2体、ジェネラルはもう少し、クイーンはまだかかりそう。


レベル差で魔法も普通のだと致命傷にならないし、僕やグレイは武器のランクがモンスターに対して低すぎる。


よっぽどうまく当てなきゃ深手にもならない感じ。


初級の武器で中級の上位クラスモンスターってきついよ。


「うにゃ!」


武器に魔力!ってミロクが……えぇ?もう終わってんの?


魔力板の上で香箱作ってリラックスモードなんだけど?


「って危なっ!」


ミロクを見てたらキングの爪がかすった!腕がちょっと切れたけど、即座にヤクシが回復してくれた。


えーと、魔力を武器にってことは纏わせて剣を強化しろってことだよね。


戦いながらとか初めてなんだけど?えぇ?難しいんだけど?


「うにゃにゃ!」


魔法はイメージと魔力操作!とかミロクが言ってるけど、その魔力操作が難しいんだよね。ミロクはさぁ、魔力も見えてるから簡単かもしれないけど、僕は見えて無いからさぁ。


「イメージって言われてもなぁ見えないものをイメージとか難しいよ」


キングの攻撃を避けながら剣に纏わしてみるものの、成功したのかしてないのかわからない。成功したらハマった感じがするって言ってたからたぶん成功してない。


『火魔法のー魔力を纏えばいいのではー?火がつくからーわかりやすいよねー?』



マリモちゃん!


「それだ!」



………あれ?そういうのって付与魔法では?でも普通に出来るっぽい言い方だし、出来るんだよね?


火魔法使う感覚で、剣に火が纏うようにイメージしてみた。ミロクにアニメとか見せられたからイメージは意外と簡単だ。


「……出来ちゃった」


炎の剣みたいなのになった。けどなんだか魔力がどんどん消費されてる気がする!


「にゃ」


魔力操作が甘いから魔力切れるの早いかもってミロクが言ってるから、さっさと倒さなきゃいけない。


「援護する!」


グレイの声がして、キングの顔にボールみたいなのが当たって弾けた。


中身は水っぽかったが、水が目に入ったキングは悲鳴をあげながら顔を押さえてる。



「特製唐辛子エキス入り水風船だ」


いや、ドヤ顔してるけど鬼畜の所業だよ?


でもその隙を逃さず一気に接近して炎の剣でダブルスラッシュ!キングに十字傷を刻み、追加で腕を切り落として、まだ消えないから首にスラッシュ!


魔力で強化してても半分くらいしか切れないって、どんだけ武器のランクがあってないかって話だよ。


でも、ようやく終わったね!


「疲れたぁ」


「……キュー?」


「え?ヤクシ、今……」


「何故中ボスの宝箱でもらった剣を使わなかったのか、と言ったな」




………装備の更新忘れてた。

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