第147話 ミロクは戦ってはいけない


魔苔は何処のダンジョンにも必ず居るらしく、元魔苔のマリモちゃんは魔苔からダンジョンの情報?感情?が少しだけわかるらしい。


ついでに世界樹とも少し繋がってるから他のドラゴン種よりはダンジョンに詳しいらしい。


でも、マリモちゃんは植物らしく何もしたくない系で、自己研鑽以外はやりたくない系だから黙ってるらしい。


「うにゃ……」


ミロクが、自分が戦犯だ……って落ち込んでる。


「どちらかと言えば調べきれて無いギルドが戦犯では?」


グレイ、さっきはギルドのフォローしてたのに、ミロクが落ち込んだ途端に手のひら返したね。


「キュー!」


「あぁっ!ごめんヤクシ!皆!オーガ来てるから!」


ヤクシが一人バリア張ってオーガの攻撃防いでた。落ち込むのあとにして!って何故かミロクが怒られたけど。


「にゃ」


急いで剣を構えてオーガに向けて駆け出したんだけど……ミロクが属性付与した魔力爪でスパンとオーガを斬り倒してしまった。


「……えぇ?」


ミロクってオーガを一撃で倒せるくらいに強かったの?


「うにゃにゃ!」


ミロクのせいだからミロクも参戦する!って宣言された。


「キュ」


そしてヤクシに却下された。


「キュキュー」


僕らのパーティーはミロクが居なくても戦力過多なので、このくらいの負荷があったほうが経験になる。ミロクが参戦すると緩くなるのでダメってことらしい。


……ヤクシのほうがなんか色々考えてくれてるねぇ。


「キュキュー」


それにミロクはオーガでもワンパンしちゃうからパーティーの連携訓練には向かないでしょ。って言ってるけど、連携訓練のためにミロクだって手加減くらい出来るでしょ?


「にゃぁ?」


ほら、手加減くらい出来るが?ってミロクが言ってる。


「キュフ……キュー」


ため息ついたヤクシが、一応配慮して言わなかった理由をいってくれた。



……そうだね、ミロクのレベルが上がるとここのモンスターも強いの出てくるんだったね。


またしてもミロクは落ち込んだ。


「……進もうか」


落ち込んだミロクを抱えて、撫でてやりながら道を進んだ。


「うにゃ」


しょんぼりしながらだけどミロクが魔力板訓練に戻ったので、僕も警戒しながら進む。


オーガがモブとして出てくるようになったけど、その他奇襲要因として蜘蛛や蝙蝠も増えてる。


進みながら、オーガ1体なら楽に対応できるけど、そこに奇襲を受けたら結構苦戦するのだ。


次の階層ではオーガが2体同時に来たりする。


そして武器持ちのオーガが出てきたりして、ボス部屋の扉を発見した。


ダンジョン内部構造が変化してなくて良かったよ。軽く迷路だからギルドの地図が使えなかったら凄く時間かかってたろうからね。


「ボス部屋の前に軽くご飯食べて休憩ね」



はぁ……ボスモンスターは何かなぁ、ゴブキンみたいな物量タイプじゃなきゃいいけど。

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