第145話 移動手段の確保


グレイが朝煮といた煮物が染み染みで凄く美味しかった夕飯。


ミロクも出汁と醤油キター!ってテンション上がってにゃーにゃーウマウマ言いながら部屋を駆け回ってた。


トイレハイテンションくらいの爆走で、グレイに埃がたつでしょ!って怒られてたけど止まらなかった。


食べては走り食べては走りで、最終的に走るなら食わせません!って取り上げられてたね。


凄く文句言ってたけど、まぁ仕方ないよね。


僕たちが食べ終わってから残りを渡されたけど、やっぱりテンションは高かった。



次の日になってもテンションは高めで、続きを攻略しに行くぞ!って……何故か馬車の荷台みたいな、リアカーに幌と座席付けましたって感じのを出してきた。


「うにゃにゃ!」


俺が作った猫馬車!って自信満々というか凄いだろ!褒めろ!って感じで言われた。


「猫車じゃなくて?馬車なの?」


「そこは問題じゃない」


え?じゃあグレイはどこが問題だって言うんだろうか?


ヤクシやマリモちゃんもやれやれって感じだ。



「にゃうにゃ!」


俺が大きくなってこれを引く!


よく見たらハーネスついてるね。でもミロクに引けるのかな?結構大きいけど?


「うにゃ」


クッション性や耐震性、軽量化もバッチリらしい。


まぁ、昨日は結構な時間自転車こいだから、今日は休みたいなって思ってたりしたんだよね。


ミロクってば、猫皿のお礼にダンジョン攻略するんだ!って張り切ってるけど……はたしてダンジョンを攻略することがダンジョンへのお礼になるのか?


でも、うぅぅん……今までのことを考えるとお礼になりそうな気がしなくもない。


「その前にだな、それは道路を走らせて良いのか?」


あ!


「うにゃ」


……ミロクに抜かりはなかったらしい。高村さんに確認したらテイマーもたまにテイムモンスターで車道を走るから大丈夫って言われたらしい。


馬車の運転免許なんて無いですしね、って笑ってたそうだ。


というかこの場合運転手はミロクということになるの?僕は無理だよ?


「にゃ」


乗るとよろし、とミロクに促されて乗った。普通の座り心地だ。


ヤクシとマリモちゃんのためのクッションスペースまであって、2匹はそこにおさまった。


「うにぁん!」


出発進行!とミロク………あ、門開けなきゃね。


「にゃ」


出鼻を挫かれた、ってちょっとしょんぼりしたけど、僕としてはあのハイテンションで動かれなくて良かったよ。


………いや、揺れないなぁ?


「信じられないくらいに錬金術のオリジナルレシピで幸運無双してるな」



「やっぱりそれだよねぇ」


『マスターはダンジョンさんにー面白がられ過ぎだと思うー』


「キュー!」


他人による再現性が無いレシピなんて無駄だよね!ってヤクシが明るくディスった。


最近のヤクシは、誰の影響なのかツッコミがパンチきいてるよね。ミロクがしょんぼりしちゃうからほどほどにね。

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