第141話 セイッ!ってやれば出る


中ボスはゴブリンキング御一行だった。まあまあデカイしまあまあ強いしまあまあ頭も良い。


けど、うちのメンバーがヤバすぎてヤバかった。


クイーンとかジェネラルとかナイトとか大量のゴブリン各種とホブゴブリン各種が召還されて、それぞれナイトごとに部隊わけされて連携してくるやつ。


これ、もしかしなくても出過ぎでは?1パーティーが相手する数じゃないよ?


「えぇー?」


「何故1パーティー対ゴブリン村みたいなことになっているのだろうか?」


「キュー」


『先にリーダークラスをー倒さなきゃーおかわりどんどんくるやつー』


「うにゃぁん」


仕方ないなぁ、参戦してあげよう。


というわけで、俺も戦うことにした。



『グギァァァッ!』


ゴブリンキングが咆哮をあげてゴブリンたちが動き出す。


「ミロクは遊撃!僕たちはいつも通り!」


ご主人が凄くてきとーに指示出しして、ゴブリンたちと戦闘開始。


ふん、猫の狩りを見せてやろう!頭を低く気配を消して地面を這うように素早く走り、ジャンプ!


ナイトやジェネラルの頭を踏み台にしながら一気にキングに近寄って魔力爪を一閃!


む、ちょっと避けようとしたみたいで切断まではできなかったけど、致命傷だな。ついでに反対の前足で首切っといた。


しゅたっと着地して、唖然としてるクイーンやジェネラルに向けてドヤ顔。


「にゃぁん」


ついでに氷の矢を発射して、倒しはしないが行動を阻害しとく。俺だけが大物を倒すのはご主人たちに悪いからな!


あとはわちゃわちゃとゴブリンたちに囲まれそうなご主人たちを助けるために、ゴブリンたちを適度に減らしていく。


ヤクシやマリモちゃんはまだまだレベルが低いので本来のスペックを引き出せない。



魔法型のヤクシならレベルが上がればこの程度、魔法で殲滅出来ただろう。


マリモちゃんはドラゴンブレスで一発だろうが、このダンジョンはマリモちゃんと相性が悪い。洞窟だから大きくなれないし草生えてないから植物魔法の魔力消費が多いからな。


まぁ、ちょっとは魔法で減らしたみたいだけど流石の物量に囲まれそうって感じ。


まぁでも、ご主人やグレイは振れば当たるプレイしてるんだけどな?その辺やっぱり考え無しなのがゴブリンだよな。



「減ってる?これ減ってるの!?」


「マスターがキング倒したので上位ゴブリンたちが狂化してる可能性あり」


「キュー!」


でもジェネラルとか氷で動けないよ!と魔法でご主人にバフかけながらヤクシ。


『なんかーあっちでナイトが追加注文してるー!』


あー、はいはい、召還し終わったナイトにファイアーランス。他のナイトたちもちょっとしびしびしときましょうねー!っと錬金術アイテム痺れ玉を当てとく。


痺れ玉の良いところは密集してるとこに当てると当てた敵の周りも巻き込む所だ。


麻痺キノコと電池と水風船で出来る。


「グレイ!周りを一回吹っ飛ばして!」


「了解」


シールドバッシュというやつかな?グレイがゴブリンたちを吹っ飛ばした。そしてご主人は双剣に魔力を纏わせて炎を付与。


「ハァァッ!」


横一線に炎がとんだ!魔法剣だ!凄い!飛ぶ斬撃だ!


「うにゃにゃ!」


ご主人カッコいい!


「ほんとに出た!?」



……なんでご主人がビックリしてるの?

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