第139話 パーティーの立ち回りは難しい


ご主人とグレイのダブルアタッカー構成で進んでいく俺達。


タンクはマリモちゃん、魔法系サポーターがヤクシ、賑やかしに俺のバランスが良いパーティーだ。たぶん。


総合的な評価としては個々の戦闘力が高いので連携は並。


「うにゃ!にゃ!にゃぁん!」


ご主人は動け動けー!グレイはご主人の動きの邪魔しない!ヤクシはバフのタイミングずれてるしマリモちゃんはご主人のほうに行く雑魚を遮るように!


魔力板を複数作ってピョンピョン跳びまわりながら全体を見てアドバイス……つまり賑やかし担当の俺。


「無駄に的確っぽいのがいらっとする」



「そういうのきくと、グレイって普通のドールと違うって思う」


グレイがイラつくという感情を覚えた!


「猫に戦い方の指導をされるのはドールとしても微妙だ」


「それはそう」


ご主人?なんで納得……いや、まぁ、するよな、うん。俺も人間なら猫にあーだこーだ言われたくねぇもん。



「うにゃにゃ?」


グレイは俺が思考入力でグレイの体を操っても良いのか?


「……そういえば、そういう機能がドールにはあったなぁ」


ご主人は知ってるらしい。普通のドールに意思は無く決められたことや指示されたことしか出来ない、錬金術師は戦闘力が低いことが多いのでドールに戦闘させたり、ドールを操って戦ったりする。


ドールのみの戦闘ならNPCの仲間が戦ってくれてる感じで、操るならゲームキャラを動かす感じで戦える。


「一度経験はしておくべきだと判断」



というわけで、グレイの許可も出たし、次の戦闘ではゲーマーミロクの出番だぜ!


獲物はスケルトンパーティーだ。


ゲームのコントローラーを動かすような感じでグレイの体を動かして、ご主人がモンスターから離れた瞬間に前に出て相手の剣を弾く、それを見逃さないご主人が接近して倒す。


コイツ片手で大剣持てるじゃないか、なら片手で持って、片手で殴る。蹴りも入れるよ!


「えぇぇ?なんか凄く戦いやすくなったんだけど!?」


「キュー!」


『タンクの仕事が無いー』



む、ヤクシはタイミングがわからなくて混乱して、マリモちゃんは暇になったようだ。


「うにゃ」


そもそもこんな序盤の敵にバフとか要らんもんな。


マリモちゃんは似非タンクなので挑発系スキル無いし。今ヘイト稼いでるの俺の操るグレイだからな。


「うにゃ?」


グレイをタンクにしてマリモちゃんをサブアタッカーにする?


『マリモちゃんはー忙しく無いのがいいなー』


「うにゃ」


たまに魔法撃つ係ならヤクシが回復とバフデバフに集中できるよな。


「うにゃ!」


グレイがタンクに決定!


スケルトンパーティーを倒し終わったら、グレイに主導権を戻して装備変更。


小ダンジョンの宝箱報酬ギルドに売りに行く前で良かったな。


良い感じな盾あるぞ、あと盾使うなら片手斧がオヌヌメ。


「タンクをするならまた動きが変わるのでは?」


「にゃぁん?」


フォローの入れ方とかはわかったろ?


グレイが頷いたので、チャチャッと装備変更した。


「というか、ミロクが上手過ぎてヤバい」


クソゲーも神ゲーも全クリパーフェクトを目指すやり込み派だったもんで。


大抵のゲームって基本的な立ち回りって同じなのだよ。


あとオンラインゲームだとやらかすと変なのがわくことがあるのでミスはなるべく避けるために研究したりしてた。


俺、だいたいは大雑把なんだけど変なとこ凝り性なんだよなぁ。


「うにゃにゃ」


立ち回りは基本形があるから戦闘動画で勉強するのがオヌヌメ。


「……ミロク、オヌヌメでもわかるけど正しくはおすすめだからね?」


「にゃー」


今そこ重要じゃない。そしてわざと言ってる。


「キュ!?」


ヤクシがえぇ!?って言ってるけど、まさか?


「ほらぁ、ヤクシが勘違いしてる、ネット言葉はたまに変なのがあるから間違えて覚えないでね?」


いやいや、ヤクシは俺の知識がインプットされてるから………あ、それでか?いや、おすすめがオヌヌメに変化してる知識なんてはいってんの?


よくわからん。


ヤクシには今度辞典をプレゼントしてあげよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る