第136話 旅行終了後、爆睡


ゆったり寝てゆったり起きてゆったり土産を買って、また寝台列車に乗って帰った。


今回の旅行でわかったことは、俺は旅行に向いてないってことだな!


猫は環境が変わるのを嫌がる生き物なのだ、わかってはいたが普通の猫とは違うから大丈夫だと思ってた。


でもソワソワしっぱなしで落ち着かないし疲れた。


ダンジョンだと平気なのに旅行だとダメなの何でだろ?ダンジョンさんが良い感じにしてくれてるだけかな?


というわけで、家に帰ってきてから爆睡した。


翌日も部屋でゴロゴロしてた。やっぱり家が一番だ。


ご主人は元気に土産を配りに出掛けた。高村や三井たちには連絡してたらしい。


疲れて無いのか確認してみたけど、あんだけゆったりまったりしてたのに疲れないよ、とか言われた。


まぁ、人間基準の旅行でいえば観光名所巡るわけでもないし、癒し旅の分類ではある。


俺は家じゃないと脱力出来無かったので、何もしてない時間が嫌だったな。やっぱり猫は旅行に向かない生き物なのだ。


そんなわけで、でろんでろんに溶けた猫状態の俺。グレイに掃除の邪魔だと退かされてハンモックに逃げた。


掃除機で俺を押して行くのは酷いと思うんだ、むしろ俺の毛がモップ代わりに埃を絡めとるぞ?


「マスター、サマーカットにはしないのか?」


「うにゃ」


するわけ無いだろ、何のために冷気纏ってると思ってんだ。


頭だけモフモフで他は丸刈りだなんて鬼畜の所業ぞ?涼しいかもしれないが情けなくなるんだぞ?


丸刈りにされた猫の動画見たことあるか?気にしないやつは気にしないけど、人間のやることにドン引きしてるやつも居るんだぞ?


何故に毛を刈られなきゃならんのだ!って言ってるやつも居るんだぞ?普段毛があるのにいきなりスースーして心許ない感じになるんだぞ?


「うにゃにゃ」


人間は毛が生えてないから丸刈りにされる猫の気持ちなんてわからないのだ。


別に羊みたいに刈らなきゃいけないわけじゃないんだ、断固拒否である。


「なるほど?」


分かりやすく言えば、男の人や普段ズボンの人がひらひらスカート履かされたときの心許なさ?


前世の学祭で女装させられたときのスースー感に似てるのではないかと思われる。


ただ、涼しいのは確かなので猫的にも賛否両論ある、ようは慣れれば涼しいから良いじゃん!って派と、毛は身を守るために必要なのだが?って派だ。


サマーカットされるような家猫に毛で身を守るような戦いがおきるの?とは訊いてはダメだ。


家猫の本能何処行った問題は昔からの難題だからな、答えは出ない。


だって猫の俺にもわからんのだ。ほんと、たまに家出する野生の本能何処いってんだろ?宇宙かな?

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