第135話 バーベキューと焼き肉の味


貝入りバケツを持ちながら、中ボスのヤドカリを倒し、ボス部屋の蟹も瞬殺。


綺麗な貝殻と、蟹をゲットした!


夕方、ホテルに戻ってお風呂に入れば夕食の時間。


ウッドデッキにライトやバーベキューセットが設置され、一人前セットと猫用のカリカリお刺身セットが用意された。


テイムモンスターって基本的に魔石しか食べないので食事は1人と1匹分だけだ。


まぁ、採ってきた貝も魚も焼くから良いのだ。


スタッフが焼いてくれるサービスもあるらしいが断った、グレイがやってくれるからな!


食べ終わったら内線で連絡してくれれば片付けにくるらしい。


「うわ、肉すごぉ!」


「貝は醤油垂らすだけで良さそうだ」


普通の猫なら、ご主人と目を合わせないように、興味ないふりしてコソッと手を伸ばすのだろうが、スーパーネッコミロクはやらない………やらないのだっ!くそっ、焼き肉食いてぇ!焼き肉のタレのしみた白米食いてぇ!


長生きを目指す健康的な猫を、暴力的な焼き肉の香りが襲う!


美味しい物の記憶がある分、これを耐えるのはツラい。


焼いた玉ねぎにポン酢マヨネーズつけて食べたい………いや、猫だから食べたら死ぬな。玉ねぎとかダメな奴代表みたいなもんじゃん。


刺身もカリカリも美味しく頂いたけど、焼き肉の匂いでコレジャナイ感凄かった。


「食べる?」


軽く火を通した肉をご主人がくれたんだが、ますますコレジャナイ感。


違うんだ、肉は美味しいけど焼き肉のタレで食いたいんだ。タレには高確率で玉ねぎ使われてるだろうけど。


「うにゃ」


「美味しいけど油有りすぎ?」


茹で肉とかササミとか食べてるから焼いた肉は油がくどく感じる。


やっぱり味覚が猫なんだよなぁ。


ご主人はサラダに焼き野菜に肉に魚にと満遍なく食べてるが、ヤクシとグレイは黙々と貝や魚を食べてる、全部食べなくても焼いてストレージ保存しても良いんだからな?


ご主人がお腹いっぱいになった所で終了したけど、煙臭くなったとかで、今度は露天風呂に入った。


因みにご主人はサウナ初心者で、熱くてなんか息が苦しいと早々にリタイアした。


ウッドデッキの片付けが終わり、ライトも消されてる。


ご主人はココアの入ったコップを持ってウッドデッキの椅子に座った。背もたれの角度が変えられるらしくて、ゆったりと夜空を見上げてる。


「……暑い」


ですよねー。冷気を纏ったミロクさんがご主人を冷やして差し上げましょう!


「ありがとうミロク、星が綺麗なんだよねぇ。こんなゆっくり星を見ることなんて無いからさぁ」


「にゃ」


ココアはカッコつけすぎ。


「いやでも炭酸とかはなんか違う感じするし、成人してたらお酒とか良さそうだけどさぁ」


「うにゃ」


「コーヒーはね、ブラックで飲めたら良かったよね……それにほら、これから寝るし」


ご主人、アゴをコショコショされても誤魔化され無いからな。


ゴロゴロゴロゴロ……


「あれが夏の大三角形ってやつかなぁ?」


「うにゃ」


猫に聞くことではないけど、たぶんそう。

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