第134話 夏といえば海
ご主人は昼食、俺はおやつを食べたあと何故か高村のスケジュールに初級ダンジョン探索が組み込まれてた。
一階層のみの海ダンジョンだ。
浜辺では潮干狩も出来る観光ダンジョンらしい。休日には釣りも楽しめるが、釣れるのは魚型のモンスターだ。
まぁ、魚型だけあって陸にあげれば死ぬんだけどな?
弱いのしかいないが、魚や貝が食料になるので潰されないダンジョンだ。
ダンジョンのおかげで日本の輸入量が色々減ったらしいので、政府的にはダンジョン万歳だろ。
「夏だから海で遊べってことかな?水着とか持ってきて無いけど」
「うにゃ」
ダンジョンに水着で入るのはアホのすること、とご主人にマジレスしてみる。
一瞬、おっさんがやってそうとか思った。
「だよね」
ご主人も冗談だったらしく笑ってたが、ダンジョン入り口で水着型防具と釣竿の貸し出ししてるのを見て、商魂逞しいって呟いてた。
水着型防具が見た目ウエットスーツだったの笑う。
ちゃんと更衣室やシャワールームも完備してた。
旅のしおりには、このダンジョンの資料も添付してあったので不足はない。
中に入ると、まんま綺麗な南国の海な感じで、ちらほらと人がいた。
グレイを出して、俺達もリュックから出る。
「魚はまだ沢山あるのだが?」
グレイがこの前大量に釣ったから、まだストレージに入ってる。
「潮干狩しようか」
私服だが、そもそもここのモンスターはノンアクティブばかりらしいので、スコップを出して潮干狩開始。
貝型ってスコップでカツンと叩くとそのまま大きめサイズの貝と魔石がドロップするらしい。
海の中の岩に張り付いてる貝型モンスターもいるが、そこまでしてゲットするもんでもない。
グレイは穴に塩をかけてにょろっと出てきたのを倒してる。
俺とヤクシは魔力爪でほりほり。ゴロゴロ出てくるのでマリモちゃんがベシベシ叩く係だ。
バケツにポイポイ入れてるが、あっという間にいっぱいになった。
む?グレイがいつの間にか釣りしてる。魚型モンスターを釣り上げて空中で切って、魚と魔石のドロップは落下地点のバケツにイン。
地味に凄いことしてる……
「いやいや、採りすぎ採りすぎ!」
おや?いつの間にかバケツが2つ目に?
グレイはクーラーボックスに氷入れてバケツの中の魚を移しかえてるところだった。
貝は……ドロップ品のくせに生きてやがるのでストレージに入らない。まさか砂抜きも必要だとか言わんよな?あのジャリッて感触は許せんのだが?
仕方ないので、ヤクシとご主人とグレイでビーチバレーをしてる間に種類別にわけて砂抜き作業をしとく。
マリモちゃん?ビーチバレーは海水を含んだ砂まみれになるからやらないらしい。塩害とか影響は全然無いけどなんか嫌なんだそうだ。
砂抜きは必要かわからないが、とりあえず洗浄かけとけばオッケーだ。
焼いたのが美味しいのはバケツ、他は軽く茹でてからストレージにポイ。
バケツ1つでおさまった。
夜のバーベキューで焼いて貰おう!俺は食えないけどな!
因みに、ビーチバレーはグレイが一番下手くそだった。奴に球技スキルはインプットされてないらしい。
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