第130話 一般的な反応


スタッフさんから聞いたんだが、ペットなんかを遊ばせるドッグランもどきの車両もあるらしい。


無駄にペットやテイマーに配慮されてる気がするが、そういう人向けの寝台列車を高村が選んでくれただけだった。


一部鉄道ファンの間では、移動動物園とも呼ばれている有名な列車らしい。



というわけで、運動車両にやって来た。



小型テイムモンスターや犬等が遊んでる。


ついでに動物が好きだけど家で買えないからふれあいたい系の人達。


猫俺だけ?なんでや!?


「やっぱり犬とかが多いよねぇ」


「通常の猫は旅行に連れて行けないのでは?逃げ出されたら見つけるのは難しいと思う」


……確かに。


ちょっとしたことでパニックおこして逃走して、ちょっとした隙間に入り込んで見つからないとか、出てこれないとか、ありそう。


ハーネスつければと思わなくもないが、そもそも猫にとって環境の変化はストレスだしな。


犬はなんかお出かけ好きな印象ある。


「あれー?なんかワンコたちがキュンキュン鳴き始めたけど……ほんとにキュンキュンとしか言ってないね?」


「小さくてもドラゴンが怖いのでは?」


ん?なんかうるさい?


「キュー」


『そうそうこれこれーこれが普通の動物の反応なのだよー』


なんか言ってる。


「うにゃ」


「では先輩たち、下ろすぞ」


とりあえずグレイに2匹を解き放ってもらった。


「キュー!」


『はっはっはぁー!ドラゴン様がきたぞー!』


マリモちゃん、なんかテンションおかしくね?


「ミロクも行っておいで」


あぁぁ、ご主人の抱っこが!


とりあえずなんかワンコを威かしてるマリモちゃんの頭を前足でベシンと叩いとく。八つ当たりも込だ!


「うにゃにゃ」


『えー?直ぐ殺られるタイプのー悪役っぽいー?心外だー!』


「キュー」


悪ノリしたマリモちゃんが悪いってヤクシも言ってる。


「うにゃ」


『威圧なんてーしてませんー!本能的にー恐怖を感じてるだけですー!』


それどうしようもないやつ。


しかたないので、2匹はテイムモンスターたちの傍に行った。テイムモンスターたちのほうが反応がまだましだったのだ。


「にゃ」


そして俺が挨拶したら…


「「「わんわんわんわんわん!」」」


これである。


「うわ、ミロクにはこっちくんなとかなんだお前とか……強気だなぁ」


「犬は賢い生き物だったのでは?」


「うーん、今ドラゴンパニックおこしたばっかりだからかなぁ?」


「成る程」



つまり、わからせる必要があるのだ。


とりあえずテテテッと近づいて軽く猫パンチを一発ずつ、わんわん言ってるやつらにくりだしていく。


「うにゃ」


「「「キュゥン」」」


うるさい、過剰反応すんな。と言っとけばパニックから回復してごめんなさいしてきた。


「うにゃにゃ」


もう良いから、飼い主と遊べと返して俺もご主人の元へ。


そして、足元でごろん、体をひねってご主人を見つめて……


「にゃぁん」


撫でろ。


「ミロクゥ!アザと可愛い!」


うむ、わざとだとわかってても引っ掛かるご主人は、とても良い飼い主だな。


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