うなぁ

第129話 列車でゴー!


ただいま、キャリーリュックの中で寝台列車待ちしてる。


オッサンある意味センス無し事件から数日、帰省ラッシュなんかに巻き込まれない中途半端な日程で旅行に行くのだ!


高村が旅のしおりを作ってくれたので、時間配分も完璧である!


そして、夏のお供に氷魔法!小ダンジョンさんがくれたのだ!小ダンジョンのクリア報酬スキルの中では微レアな魔法スキルの、微レアな氷魔法!


これはダンジョンさんが氷魔法で涼しくしてダンジョンにおいでと言ってるのだ!


というわけで、俺達は涼しい。


因みにグレイはストレージの中だ。勘違いされて大人料金追加とかになると嫌だし、何より奴は目立つのだ。




定刻通りに列車がきて、ご主人は乗り込む。


部屋番号を探してうろうろ。荷物は収納鞄の中なのでキャリーリュックのみのご主人は身軽である。


「あった!」


まるでホテルのような一室、振動がなければ列車と忘れそうだ。


「うわぁ、凄い」


「うにゃ」


「あ、出すよ」


ご主人がリュックを開けてくれたので、外に出て伸びぃぃぃっと。


ヤクシやマリモちゃんも出てきて、ご主人と部屋の中を色々見ている。


グレイを出してやると、部屋の一画に猫トイレや水入れを設置してくれた。


「にゃぁ」


俺もスンスンしなきゃ!部屋の中の確認にあらゆる物をスンスン嗅いでいくのだ!確認大事!


「個室だと食事は食堂車か部屋か選べるんだって、食堂車はやっぱりペット不可だから食事は部屋になってるね」


カフェスペースとかもあるのだから、俺達気にせず楽しんでくれば良いのだ。


グレイは執事服でドールの証を着けてるから、たぶんご主人に同行出来ると思うぞ?



俺は窓際のとこに位置どって、外を眺めるのだ!


ご主人は色々と写真を撮ってるけど、SNSはやってない。おっさんと高村と三井たちに送るのだ。


高村たちは楽しんでるよ報告で、三井たちは御座る忍者に夏休み寝台列車に乗ると言ったら興奮して是非写真を!となって成り行きで3人に送ることになったらしい。



列車が出発して、窓からの景色が流れて行く。


じー……


「ミロク、気持ち悪くならない?」


「うにゃ」


大丈夫。


「キュー」


レベル上がれば車酔いとかしなくなるよ。とヤクシが言うが、三半規管も鍛えれるのか?


「そうなんだ……というか、こういうの初めてだからさぁ。この空いた時間の使い方って、どうすれば?」


「カフェスペースや娯楽スペースなどもあるようだが?」


「ミロクたちはカフェスペース行けないじゃないか、なら娯楽スペースかなぁ」


娯楽スペースには専用のチップを使ったカジノがあって、無料チップを使い切ったら終わりで換金とかは一切無しの健全カジノだ。


ただ、ルーレットは振動の関係でない。



カードやスロット系のみのやつ!


俺の幸運みせてやろうか!チップを増やせば無限に遊べるぞ!


一応ハーネスとリードをつけて、ご主人に抱っこされる。ヤクシとマリモちゃんはグレイに抱えられてる。


娯楽スペースに行くと、まばらに人が居た。やはり暇だと思う人は居るのだろう。



またはボッチ。友達や家族とお喋りして過ごす時間がない人達。


ご主人も俺達もそんな会話がある方じゃないから、仕方ないのだ。だって猫だもの。


「何やる?」


入り口でチップを貰ったご主人。遊びには詳しくない。


ので、ご主人にカードを持って貰って俺がポーカーに挑戦。ふふん、猫の表情が読めるかな?


因みに他の客が居ない時はスタッフが相手してくれる。


「うにゃ」


「この2枚を交換ね?」


「にゃ!」


「このまま?」


というわけで、俺の勝ち。


「というか、なんでミロクはポーカー出来るの?」


「うにゃ」


「ネットで覚えたのか、成る程」


そんな話をしてたら、スタッフさんたちがそわそわしてる。プロ根性で冷静なふりしてるけど、俺にはわかるのだ!


「うにゃ?」


「え?あー、あの、触られるのは嫌だけどサインは良いぞ、とミロクが…」


「是非お願いします!出来れば宣伝用に写真も!」


「この子達だけなら写真も大丈夫です」


「キュ!?」


突然巻き込まれたヤクシが驚いてる。マリモちゃんは…寝てる。


というわけで、マリモちゃんを起こして色紙に肉球スタンプと下手な字だが名前を書いて、色紙を掲げて寝台列車のポスターと一緒に写真撮影。


ついでにスタッフとも写真撮影。ヤクシとマリモちゃんは撫でられまくっていた。

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