第128話 プレゼントは気持ち
なんか叔父さんから段ボールが届いた。
いや、ちゃんと中身は入ってるんだけど送ってきた意味がわからない。
普段着ないような服ばかりが入ってるし、半分くらいサイズが合わない。
僕標準的な体型だし、MサイズなんだけどLとか2Lとか入ってる……叔父さんはもしやダボダボ系ファッションを勘違いしているのでは?
あれはそういうファッションでそういう作りの服なのであって、ただデカイ服を着るってわけじゃ無いような気がするんだけど?
まぁ、僕も詳しくは無いけどさぁ。
「うにゃ?」
「叔父さんから送られてきたの」
グレイやヤクシもよってきた。
「…一部サイズが合わないように思うが?」
「キュー」
ヤクシに叔父さんだから仕方ないとか言われてるよ?
そういえばヤクシって叔父さんのことを粗忽者って思ってるんだったね。
「うにゃにゃ」
「うん、確かにね。僕もバラの花柄カッターシャツは似合わないと思う」
薄く灰色でとかならまだしも、白地に真っ赤なバラだからね、派手過ぎて着れないよね?
似合う人は似合うよ?グレイなんかは着こなしそうだよ?だってグレイは顔が派手だから。
「花筏柄のガウチョパンツを着る場面とは?」
生地は凄く良さそうだし、柄も綺麗なんだけど、どこに着てけば良いんだろうか?
「キュー」
そもそもレディースが含まれてるってヤクシが呆れてるけど、男がレディースを着るのは別に変じゃないよ。似合ってればね。
「うにゃ?」
「さぁ?なんのために送ってきたのかはわからないんだ」
ミロクはスマホをタシタシし始めた。たぶん高村さんかなぁ?
「にゃぁ」
「……誕生日プレゼント?これが?」
「うにゃ」
普段着ないような種類の服を送って、新規開拓すれば良いって?
「叔父さんの気遣いのしどころが不明だね」
「これは迷惑と言って良いように思う」
グレイ……
「それは、ほら、誕生日プレゼントなんて好意とか善意とかで渡してくれるものでしょ?貰えて当たり前ってことでもないし、叔父さんが祝ってくれてる気持ちが大事だから」
「成る程?」
かなり不思議そうだったけど、納得はしたらしいグレイ。
人間の情緒は学習中らしいので、たまに言葉が機械的なのだ。
まぁ、ぶっちゃけグレイの意見も間違いではない。
僕は清潔感のあるシンプルな服が好きなのであって、地味にしてるわけじゃないし、柄が有りすぎると目がチカチカしてくるから選ばないんだ。
ほんと、段ボールの中を見てるとチカチカする。ほとんど柄なんだよね。
背中とか前面とかじゃなくて柄物の布で服を作りました!って感じの全体柄の服が多い。
「うにゃにゃ」
ファッションには髪型も重要だし、服だけ派手にしても人が気弱そうな人なら全体的にダサくなるから、オッサンはわかってないんだ。って猫のミロクが言っている。
洋服着るの嫌いだよね?むしろ猫は全裸だよね?
ファッションわかってる風に猫が語って、ダメ出しされてる僕の叔父。
今度三井君たちに話すネタにしよう。
「でも、これどうしようかなぁ?まずは着れそうなの選別しようかな?」
というわけで、まずはサイズでわけて、絶対似合わないやつ、そんで目がチカチカするやつを除外すると……
パーカー類やモノクロ服しか残らなかった。
サイズが大きくてグレイに着れそうなのはグレイにあげたよ。
あとはミロクが裁縫のスキル上げに巾着とか革製品のワンポイント的な使い方でリメイクするらしい。
売るのはちょっと、ね?流石にどうかと思うし。
まぁ、たぶん叔父さんは何着てても気がつかないと思うし、むしろどんな服をどれくらい送ったか覚えて無いだろうし、問題無いと思うけどね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます