第126話 ご主人は時間の使い方がわからない


家のことをグレイがやってくれるようになったので、凄く時間が余る。


元々家事ありきの生活だったから、どうすれば良いのかわからないや。


「うにゃ」


そんなときはミロクが遊べとやってくる。


ついでにオススメのアニメとか見ようって言ってくるんだけど、この前ミロクの好きだったキャラが死んじゃってずっとうにゃうにゃ言っててアニメの内容が入ってこなかった。


うん、アニメはちょっとよくわかんないかな?


ドラマはね、人が人間関係でごちゃごちゃするのが苦手なんだよね。アニメならまだ作り物だってなるんだけど、実際の人間がやるとダメだね。


だからミロクもアニメ薦めるんだろうけど。


あと、ご主人はまず一般的なRPGやホラーゲームを履修するべきだ!ってゲームをネット注文して、僕が進めることになった。



なんか、ある程度お約束展開がわかってないとネット民と会話が出来ないとか言われたからやったよ。


ホラーゲームはホラー耐性つけるんだ!とか言ってたけど、クッションの下に潜っておっきな音が鳴る度にびくついてるミロクが可愛かった。


あと、何故か乙女ゲームってやつもやったよ。悪役令嬢物小説は読んだけど、本当に乙女ゲームってあるんだね!


攻略対象が口説き文句を言う度に、ミロクが浮気ものめ…って言うから現実的な選択肢選んじゃって誰も攻略できなかった。


「……夏休みといってもゲームばっかりしてて良いのかな?」


「うにゃ」


学生なんてそんなもんだ。って言われたけど、ミロクはどこで学生ってものを学んだんだろう?


「うにゃにゃ」


それにダンジョンにも行ってるし、宿題もほとんど終わってるから良いんだ。ってミロクにいわれた。


そんなもんなんだろうか?


「うにゃ?」


お出かけしたいの?って訊かれて……


「暑くて出たく無いね」


って答えたら、そうだろうそうだろうって首を振られた。


「ところでミロク?ヤクシの寝相ヤバくない?」


「うにゃにゃ」


「え、寝相ヶ雑技団ってユニークスキルなの?えぇ?そんなのあるんだ…」


こんなの要るの?ってタイプのユニークスキルだった。


「うにゃ」


因みにミロクは新たに、幸運は全てを解決する!ってユニークスキルが生えたらしい。


ユニークスキルが生える前から幸運で解決してた感じだけど、ダンジョンさんも認める幸運猫ってことなのかな?


……ユニークスキルって、本当色々あるんだね。考えるダンジョンさんも大変だ。


だから名前が変なのばかりなのかな?


ミロクの耳裏を軽く撫でてたら、ミロクは寝てしまった。うーん、ちょいベロしてる。


出てる舌を触ったら引っ込んで大きなあくびされた……指突っ込みたくなるよね?


もっと小さな時にやったらちゅうちゅう吸われて可愛かった……いまでも可愛いけど、さすがにもう吸い付いてはくれないからなぁ。


閉じる前に気がついて指を一舐めして顔を引いちゃうから。


あと、指を入れちゃダメって怒られる。



レベルが上がってるから噛んだら穴があくって言われて、謝ったよ。


いつか手加減スキルとかリミッタースキルとか欲しいって言ってたね。


段ボールに牙でプチッと穴あける感触が好きだもんねミロク。今だとろくに抵抗なく刺さるから楽しく無いんだって。


でもレベルは上げたいから悩ましいって呟いてた。


本当に可愛いよね。

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