第123話 お魚は食べる分だけです
三井と一緒に肉系ダンジョンに入った。
三井も5階までクリア済みってことで、5階から4階に行くことにした。
三井の案内で道を外れて進むと、でっかい湖があった。いや、普通にデカすぎるんだが?
「ギルド資料によると、この湖魚が増えると広がるらしいぜ?最初学校のプールくらいだったらしい」
「うにゃ」
なんでや。
「ダンジョンさん優しいね」
『そういや魚肉はおいてなかったなーってダンジョンさんが適当した気配がするー』
マリモちゃんが言うなら間違い無い。
とりあえず俺がダンジョンの木の枝とヤクシ糸と金属で作った釣りセットをそれぞれ渡して、釣り開始。
餌?ご主人には内緒でノンアクのでっかい幼虫使って作りましたが?
世の中には知らないほうが良いこともあるのだ。
因みに銀はうるさいので鶏を倒しに行かせた。鶏くらいなら楽勝で、魔石と肉が銀のご飯になってるらしい。
いや、テイマー仕事しろ?………俺もやるから強くは言えないな。そういえば俺もヤクシとかフリーで戦わせてるわ。
三井とおんなじとか!ちょっとショック!
「あ、かかった!」
ご主人が早速釣り上げた!
「これは、アジだね」
水入りバケツにアジを放して再度釣り。
というか、さっきからグレイが黙々と魚を釣りまくってるんだが?
「三井様、少々聞きたいんだがどうやってダンジョン内に生きた魚を運んだか資料にあったか?」
「えーと、確かダンジョン初期の試み系で農業とか畜産とかダンジョン内で可能かって実験で、普通に移動式の生け簀を運んだらしいぜ?」
三井が答えた辺りで、近づいて来た人の気配が知ってる奴だった。俺達が居ることに気がついて足が止まったけど、目が合ったのでコイコイと前足で招いてみた。
「邪魔すんで、久しぶりやな?」
「うにゃ!」
弓の人佐藤である!
「弓の人佐藤?」
「狩人やっちゅうねん、てかここ知っとるなんて珍しな?」
ヤクシはマリモちゃんとグレイに佐藤の説明してる。
「俺三井っす、ギルドの資料で見たんですよね」
「あー、学校のレポートで調べたんか…あれな?そういうことにしとるだけで、実際は近所の生きとる魚捌いて出す料理屋で、閉店後に知り合いと酔っ払った勢いで放り込んだだけやねん」
「「え!?」」
「当時改札とか無かったんで普通に入れたとか言うとったわ」
「ということは……」
グレイが信じられないって顔してんなぁ。俺的には納得なんだが?
「俺のじい様やね………ってけったいな髪しとんなぁ!?誰やねん!」
「あ、ミロクのドールのグレイです。それからマリモちゃんとヤクシです」
ご主人が慌てて紹介したけど、たぶん佐藤はマリモちゃんまでなら動画で知ってるはず。
「ほーん、ドールねぇ……ドール!?めっちゃ人間に見えるドールとか存在しとったんか!?」
「うにゃ」
「ユニークが仕事した。らしい」
グレイが翻訳してくれるけど、佐藤はまだ半信半疑っぽい。
「まぁええわ、猫に関しては気にせんほうが平和やねん。話の続きやけど、酔いが冷めたじい様はばあ様にめっちゃ叱られてダンジョンに確認しにきたんよ。そしたらめっちゃ生きとったんで色々報告上げたら他の魚も試すことになって、今に至るんや」
「「はぇー」」
学生2人が感心してるけど、絶対色々叱られたやつだろ?むしろ仕事増やすなレベルだったろ?
「穴場やから広めないようにしとるんで、君らも広めるんやないで?場所の情報もホームページにはなくてギルドの資料にしかのってなかったやろ?」
「「わかりました!」」
「うにゃ」
「キュー?」
「マスターが撮影中、ヤクシ先輩が高村さんが消すのでは?だそうだ」
「せやね、副ギルド長が消すや………待って?グレイとかいうの釣りすぎや、そないに食うんか!?」
バケツ2個目でビチビチいってるなぁ。
「マスターのストレージに入れれば鮮度は保たれるので、確保しておくべきかと」
「うにゃ」
そんくらいにしときなさい。
「魚と肉をミキサーにかけて特製にゃーる擬きを作ろうかと」
「うにゃ!」
もっとやれ!
「もっとやれ!じゃないでしょ!ミロク、ダメだよ!」
「……にゃ」
「了解した」
でもご主人?マリモちゃんとヤクシが魔法でツタ操って地引き網漁してるけど、それは良いのか?…………あ、止めるの俺の仕事だ。
「うにゃにゃ!」
「え、マリモちゃんとヤクシ!?」
「地引き網漁はあかーん!」
「ぶはははははっ!」
やっぱりドラゴンはやることが違うんだなぁって、ご主人が呟いてたのが一番びっくりだった。
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