第122話 ギルド集合
三井から連絡が来て、ボスドロップとかの鑑定書や買い取り品の書類が出来たから集まることになったらしい。
学生のレポート用にギルドが用意してくれるものだから時間がかかったらしい。
買い取り品とか普通だとレシートみたいなやつだもんな。
用事が終わったらダンジョン行く?って誘われたので、暑さを我慢してご主人に着いていくことにした。
俺やヤクシ、マリモちゃんは自転車かごでいいんだが、グレイはストレージになるなぁって思ってたら、走るとか言いおった。
「ストレージはプツンと意識が切れるから好きじゃない」
というわけで、グレイは普通に自転車と並走した。
まぁ、ドールだから疲れないしな。
ギルド併設のカフェに集合して、ご主人たちがレポートの見せ合いっこしてる間に、俺は高村に錬金術アイテムを売る。
連絡はちゃんとした……グレイが。
グレイは俺のスマホ使って時々高村と連絡取ってるらしい。
「回復薬系は良いですが、アイテム類はいっそオークションに出しましょうか」
普通に作られる系のアイテムじゃないから値段付けが難しいらしい。
「ドールはまぁいいとして、言語理解スキル付与のボードとかどう作ったんです?」
「うにゃ」
「マスターの毛と颯人様の爪とA4サイズのホワイトボードと水性ペン、ドールの魔石複数を錬金した。らしい」
なんか出来ちゃった。魔力流すと猫語でもモンスター語でも英語でも、声の届く範囲全部日本語に自動翻訳しちゃうホワイトボードだ。
「鑑定結果を書き終えた」
「ありがとうございます」
グレイがアイテムすべての鑑定結果を鑑定書に書いてくれた。
「これらはギルドの公式オークションに出しますので、入金が終わり次第また連絡しますね。今日は回復薬類の買い取り分だけ入金します」
回復の水があるからお薬系は安い。けど使わないわけじゃないので買い取ってはもらえるのだ。
お礼を言って高村とさよならして戻ったら、ご主人たちが待っていた。
三井と銀も居るが他2人は帰ったらしい。
「俺もダンジョン行きたくてギルド集合にしてもらったんだよね!」
「わふんっ」
ぬっ!?なんか犬がはしゃいだ様子でこっち来た!
「うぉん!うぉん!」
「フシャァー!」
「……くぅ」
くっそ、べろんべろんしやがって!毛並みがボサボサのびちゃびちゃじゃないか!
洗浄かけて毛繕いしなきゃ!
「えーとね、お前知ってる匂いだぞ!誰だっけ!まぁいいや!って銀がべろんべろんし始めて、ミロクがやめろわんころ!って叱って、銀がごめんなさいって反省してるね」
「あー、そんな感じだったな!というよりさっきから気になってたんだけど、この人誰?」
おい?三井、銀叱れ?放置はダメだぞ?テイマーしっかりしろ。
「あ、ミロクのドールのグレイだよ」
「へー……ん?んー?」
「はじめまして颯人様のご友人ですね、俺はミロク様に作られたユニークドールのグレイと申します」
グレイが執事モードで一礼した。
「おう、よろしく!」
………それだけらしい。
因みに銀はグレイの匂いが無い!なんだコイツ!とグルグル唸ってる。
「銀、グレイはミロクの舎弟だから!」
「わふんっ」
「いや、わかったじゃないんだよ?舎弟って何?」
「銀は普通にドールとか言うより舎弟って言ったほうが理解するんだ」
諦めたのか三井。
銀はグレイに、舎弟なら噛まない!とか肉美味しいよな!とか舎弟なら骨をよこせ!とか、わふわふ喋り始めた。
「…マスターが理解出来るのは猫だからなのか?あのルナウルフの言ってることがさっぱりだ」
「うにゃ」
俺は基本的に日本語と動物とテイムモンスターの言葉がわかる。因みにヤクシたちも一緒。
「そっちじゃない、言ってることは多分わかってるが理解出来ない」
「キュー」
銀はちょっと知能的じゃないから仕方ないってヤクシがスパッと酷いこと言ったな。
「ルナウルフって頭の良いモンスターの筈なんだが………そうか」
グレイはスルーを覚えた。
「鶏肉とりに行こうぜ!」
「鶏肉かぁ」
「ついでにちょっと脇に行くとでっかい湖っぽいのがあって魚も釣れるらしいぞ?」
「うにゃ」
「お魚モンスターは初めてだね」
「いや、面白半分で生きたまま放流したら普通に繁殖した普通の魚だってギルドの資料に載ってた。しかも海の魚とか川の魚とかごちゃ混ぜだって」
……ほんと、日本人ってそういうとこあるよなぁ。
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