第121話 俺達のダンジョン事情
ご主人の誕生日から数日。
ようやくダンジョンのレポートが終わったらしい。
俺は俺でグレイのレベル上げのために初級ダンジョンを攻略したのである。
まぁ、グレイは大剣ブンブンやれば初級ダンジョンのモンスターなんかはあっさり倒せるんだけどな。
ギルドの探索者も初級とか中級じゃなくてアルファベットで分ければ良いのに、それぞれ幅広いレベルの差でぜんぜん目安にならない。
グレイの実力ってどのくらいなんだ?わからないなぁ?
グレイ的にはC~Bダンジョンにいるモンスター程度の強さとか言ってるけど、レベルは3とかなんだよね。
一応俺が中級だからC級ダンジョンには入れる。
これはちゃっちゃと行っちゃうべきかなぁ?でも近場のダンジョンって肉系ダンジョンなんだよなぁ。
もう少し幅広いモンスターと戦いたい…魔石でステータス伸ばすなら多種多様なモンスターがいるダンジョンが良いのだ。
「ここはどうだ?」
「キュー」
『初心者ダンジョンのー上位互換的なダンジョンかー』
「うにゃ?」
「移動?公共の交通機関があるだろ」
ご主人が読書してる間に次のダンジョンを決めてるのだ。
「にゃうん」
遠いと帰りが遅くなるからだめだ。
グレイに、俺は独りでお留守番できるけど、ご主人は独りでお留守番できないんだと説明した。
だからいつもご主人が家に居ない時に出掛けてるのだ。
「……」
グレイにもご主人が複雑な家庭環境だってのは説明してあるので、納得はしたようだ。
過保護と言われようがご主人が悲しいのは無しなのだ。
「なら、颯人様も誘えば解決だな」
「うにゃ」
それはそう。
「では颯人様の予定を確認して、ダンジョンに行ける日を決めときます」
……場所はもうそこなんだな。
「うにゃにゃ」
ご主人は一部C級しか入れないんだ。俺はレベルが高いからD級ダンジョン3つ攻略で中級になったけど、人間はもうちょっと厳しいんだ。
筆記試験あるらしいぞ?面倒だからって強いのに初級ってやつも居るらしいからな。
D級ダンジョン3つ攻略とレベル30が筆記試験の受験資格の1つなんだ。
「……ちょっとパーティーのランクについて確認しようか」
グレイはドールでヤクシとマリモちゃんはテイムモンスターだから、パーティーについてとか見てなかったんだな。
俺はちょっと飽きたので、ご主人の邪魔しに行くのだ。
ベッドにうつぶせになって、部厚い本を読んでるご主人の背中に乗る。
「ん?ミロク?なぁに?遊べって?可愛いなぁ!」
俺、何も言ってない。
まぁ、頬肉グリグリされるのは嫌じゃないのでされるがまま…キスはやめてください。
「んふふぅ」
「にゃぁ」
遊べご主人。
「いいよ、ちょっと休憩したかったし」
釣竿型のじゃらしを構えたご主人。
絶妙なじゃらし捌きで翻弄するも、俺のほうが一枚上手だったな!
「うにゃ!」
「ヒット!ミロクが釣れたぁ!」
……あれ?ご主人別の遊びしてる?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます