みゃぁ

第114話 頼れるお兄さんドール


なんか凄いドールのグレイを作った。


ご主人がうしおとか名前をつけそうだったからグレイにした。髪色を除けばゲームのクール担当イケメンなのに牛男は草生えるやつだからな。


勿論ちゃんと高村には連絡したぞ!映像を錬金術学会に提出していいか聞かれたから良いよって答えといた。


捕まったのが悔しかったからしまったけど、ご主人に鼻チョンされたので出して装備チェンジの腕輪を渡すと、執事服になった。


「うにゃにゃ」


「了解した、颯人様が飼い主、マスターは飼い猫、ヤクシ様とマリモちゃん様はマスターのテイムモンスターで先輩」


「グレイって家事出来るんだよね?洗濯物たたんでもらって良いかな?あと普通に喋ってね、堅苦しいの嫌だから」


「わかった」


「にゃ」


俺の毛がついてるからコロコロしなきゃなんだ、とグレイにアドバイス。


グレイは頷いてコロコロ片手に洗濯物をたたみ始めた……ってはやっ!?


「にゃぁ?」


「俺に使われた執事スキルの魔石は魔女の家ダンジョンのボス部屋で出てきたドールの魔石なのでスキルレベルは高い」


なるほど?よく見ずにポイポイ入れたからな。


「もう終わってる!ありがとうグレイ」


「どういたしまして、なんなら家事は任せてもらって構わない。颯人様はまだまだ遊んで良い年頃だと知識にある」


うむうむ、さすが俺の作ったドールだ。ご主人に必要なのは身近な保護者というか、甘えられる存在!俺は癒し系だがグレイは甘やかし系だな!


「うにゃ」


そうだ、ご主人は俺と遊べば良いのだ。


「ミロク…でもずっとやってきたし、急にやらないのもあれだからお手伝いお願いするね!」


「了解した」


ご主人、グレイが人間ではないってわかってるから人見知りはしないし遠慮も無いようだ。


錬金術で作ったドールは手伝うことが存在意義だからお手伝いはどんどん頼むようにってことらしい。


学校で職業とかスキルについても勉強するんだって。


「ミロクは明日、ギルドでグレイのドール登録してきてね」


「にゃ?」


「そりゃ要るよ、テイムモンスターと一緒でドールもモンスターとしてダンジョンに居るんだから登録しなきゃ」


成る程。


「安心してくれ、俺は飛べるのでマスターを抱っこして一直線で行ける」


「そういえば飛行スキルついてたね」


「うにゃ」


「キュ?」


おい、ヤクシ?羽ブチッてされたのに飛べるの?って聞くな。


「羽などただの飾りだヤクシ先輩」


「キュー」


そうなんだーって言ってるけど、ヤクシだって羽で飛んでるわけじゃ無いだろ。羽で飛んでたら羽を動かさずにホバリングできるはずないし。


「じゃあグレイ、これがミロクのキャリーリュックね」


「了解した」


グレイは物の場所等をご主人に聞きながらお手伝いする。俺はその間キャットタワーの上で寝る。


起こされた夕御飯。俺のご飯はご主人が用意して、ご主人のご飯はグレイが作ったようだ。


グレイの家事スキルの料理レシピってダンジョンさんが仕込んでるんだろうか?


「家庭の味っぽい肉じゃがなんだけど?美味しいけど、どこのご家庭の味?」


「ダンジョンさん家だ」


「ダンジョンさん家の味……?」


ご主人が思考を放棄した感じで食事を再開した。


因みにグレイも食べられはするらしいのでご主人と食卓を囲んでいる。ご主人の夕飯が独りじゃないのはおっさん以来だ。



……俺はご主人にまともな頼れる兄ちゃんをプレゼントしたのではなかろうか?


あれ?グレイはダンジョンさんからのご主人へのプレゼント?


ドールにしては人間っぽい受け答えだし、ご主人誕生日だったし、俺のご主人だし、ダンジョンさんからのユニークドールなのでは?


だってグレイのレア度ユニークだし。ヤクシとマリモちゃんに言ったら、無くはないかも?ってことだったし。


「うみゃ!」


ダンジョンさんありがとう!


「キュ……」


ついにスキルだけじゃなく物まで…とか言わないで。凄く目を付けられてる感じでちょっと怖いんだ。

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