第113話 高村は見ていた


ミロクの配信を見ながらネット情報精査してたら釜から人間出したのを見ちゃった副ギルド長高村。


連絡をするか、待つか悩む。ついでに明日は休みで、ダンジョンに行く予定だったが無しにした。


「配信だと颯人君の言ってることでミロク君達の言葉を予測しなきゃですから、困ります」


ついでにマリモちゃんの念話は聞こえない。


ちょっと巻き戻してミロクが何を錬金釜に入れたか、分かる範囲でメモに取る。



多分ミロク君は何を入れたか覚えてないでしょうからね。


颯人君が名前考えなきゃとか言ってますが、ミロク君たちは呆れた感じなので、きっと話がとんだんでしょう。


ほんと、途中で颯人君がへぇ!とか言いながら聞いてたミロク君の話を聞きたいです。


ミロク君の考察とか、結構為になるんですよね。


というか、錬金術ってああも色々混ぜたら失敗して素材消えるんですけど、なんで成功してるんでしょうか?


まさか、ラック値が関係するんですかね?


ラック値というよりダンジョン関係がミロク君に優しすぎな気はします。まだ他の動物でスマホやパソコンを使えるなんて報告ありませんからね。


初期段階でダンジョンに入らせた軍用犬2匹がようやく単語を覚えて、まだ漢字の勉強中ですし。ローマ字入力なんてまだまだですよ。


いや、ミロク君はダンジョン前から使えてましたね?多分ダンジョンと同じくらい謎な存在がミロク君でしょう。


おっと、どうやら起動させるようですね。


名前は……颯人君、牛男はやめましょう?


ドールとはいえ見た目はクール系アニメキャラみたいなんですから、うしおはダメですって!


『え?白と黒なんだからグレイだって?ミロクがそう決めたならいいよ』


グッジョブです!ミロク君!


ミロク君の性格ならドールは番号呼びだったかもしれませんから、一応颯人君の名前付けに配慮したんでしょうね。単純ですけど。


おや、突然グレイが喋ったので驚いたミロク君が部屋の中走り出しましたが…グレイが普通に優しく捕獲してますね。


『落ち着いてくださいマスター、マスターが蛙の声帯なんてレアドロップを混ぜたので俺は話せるのです』


……売って欲しかった!ギルドに売って欲しかった!


蛙の声帯って錬金術で無害化すれば人に移植出来るんですよ、でもレアドロップなのでなかなかお目にかかれないのです。


落ち着いたらしいミロク君、颯人君はイケボ!とか目の色が紫ピンクグラデーションだ!?とか驚いて………そっちに驚くんですね?


ミロク君を捕獲できるなんて、色々と強すぎませんか?


『にゃ』


あ、ミロク君がストレージにグレイをしまいました。あれだけ人間ぽくてもドールなんですねぇ。


『あれ?しまうの?』


『にゃ』


『嵩張って邪魔って……可哀想に』



颯人君の家は人ひとり増えたぐらいで狭く感じるほど小さく無いです。むしろ人が居なさすぎて寒ざむしい印象なんですが……


『捕まえられて悔しかったからって、意地悪しちゃ駄目だからね』


颯人君がミロク君の鼻を人差し指でチョンと触ると、ミロク君が照れ臭そうに前足で鼻を隠しました。



っ、かわっ!?可愛い!



健康に良い!ミロク君にしか作れないだろう人間っぽいドールとか忘れるくらい健康に良いです!あれ?人体錬成かな?とか思いましたけどストレージにしまえる時点でドールです!万事解決!錬金術学会に映像投げときゃ良いですね!



『にゃにゃぁん』


『あ、そうだね、裸だったからドール用の洋服も作らないとだもんね』


はぁっ、また何か錬金釜に……あれ、執事服に戦闘用ドールの戦闘服?


あと腕輪?


『にゃにゃ』


『装備チェンジの腕輪レシピ?え、僕も欲しい』


『うにゃ』


『やった!ありがとうミロク!』



……え、私も欲しいです。


というよりギルドでレシピをコピーさせてもらいましたよね?えーとギルドのパソコンに入ってレシピ検索して……あ、これ錬金する時に装備もいっしょにしなきゃなんですね?


これ、失敗したら装備消えますね……


錬金術師より装備のレア度なんかが高いと失敗するでしょうね。



私は、ミロク君に頼みましょう。失敗の確率減りますし、ミロク君が作った物なら所謂推しグッズです!


ドールなんかの報告、早めにしてくれると嬉しいですねぇ!待ってますよ!

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