第112話 幸運が仕事した結果


「どうするのこれ!?」


何かピクピクしてるし、裸だし、髪の毛がホルスタイン柄?のおかっぱだし、蝶々みたいな羽生えてるし、うつ伏せに倒れてるけどひっくり返すには触らなきゃだし!


「……にゃにゃにゃぁん」


フェアリーホムンクルスドールっぽい何か、が鑑定結果らしい。


ミロクが前足でペイッとひっくり返したら、目は閉じてるけどめっちゃ外国人の美形な顔だ。カッコいい感じの青年の顔。


……牛柄の髪の毛とおかっぱが凄く似合わない。


「うにゃにゃ」


ミロクは使い魔スキルが無いから起動出来ないかなって思ってたけど動物が取得した場合の錬金術スキルには内包されてるらしいので、起動できるらしい。


「うにゃ?」


「いや、どうするって言われても……」


「うにゃ?」


「いや、売るのはちょっと……」



ミロクがうにゃうにゃとギルドで高値で売れるはずって言ってるけど、こんな人間っぽいの売るとかちょっと遠慮したいよ。



テイムモンスターと同じく魔力供給で稼働して、錬金術の術師の知識レベルに初期知能は依存、魔石を沢山入れたから魔法やら耐性やらスキルやらが沢山で学習機能付き。


戦闘用ドールにフェアリーのドロップと執事スキルの魔石を入れたから戦闘も家事もできる。


要らないものを詰めたから体内収納スキルがあって、その中から取り出し自由。


基本はドールで人っぽい見た目は肉とかスライム表皮が仕事しただけで血とかは出ないし、切られたら再生するんだって。


「いや、でもなぁ……こんな羽のある人嫌だなぁ」


虫の羽じゃなければなぁ。


「にゃ」


「えっ!?」


ミロク……容赦なく羽をブチッと千切ったね?なら取っちゃおうじゃないんだよ。


「にゃぁ?」


起動前にカスタマイズ出来るって書いてるよ?って不思議そうな顔をされた。


猫ってそういうとこあるよね。


「キュ……」


『羽持ちとしてはーひぇってなるのよー』


ヤクシとマリモちゃんはひぇってなったらしい。さすがにミロクでもドラゴンの羽をブチッとは出来ないと思う。


「にゃ」


髪型も変えようって普通のハサミを持ってきたミロク。


「待って、せめて髪切り用のハサミ使おう?」


前髪だけ切りたいって時に買ったのがあるから。


ミロクが念動で椅子に座らせて、髪を切った……え、上手いんだけど?これからはミロクに切ってもらおうかな?


「というか起動する前提で話が進んでる?」


「にゃぁん」


……いや、ね?確かに僕も友達と行動するのにはなれたけどね?僕が友達とお泊まりすることはないと思うよ?


そう思ったのがわかったのか、ミロクは鼻ふんため息をついた。


「うにゃにゃ」


「あ、学校のダンジョンでの夜営実習か」


「うにゃ」


「そうだね、ミロクはご飯とか自力で出来るけどお手伝いさんが居たほうが安心だよ」


テキトーに素材入れたらどんな感じに失敗するのか確認したかったのに出来たからこれで良いやってなったんだね。


そっかぁ……ミロクの幸運が仕事した感じかもねぇ。


「じゃあ名前考えなきゃ!」



……何か3匹にため息つかれたんだけど、何で?

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