第111話 猫ってすぐイタズラする



とりあえずは一週間分って同じのを僕の収納鞄に詰め込んだミロク。


「うにゃにゃ」


「新しい靴?わかった今度買ってくるね」



新品の探索用の靴と布を錬金術で合成して良い感じの靴を作りたいらしい。


というか、僕の装備品はヤクシ印の布と合成したいらしい。


ダンジョン産じゃない装備品はヤクシ印の布を使った方が安心なんだとか…


というか、僕の防具や靴以外の装備品ってミロクが持ってきたやつだからね?防具と靴は学校からのやつだけど。


ミロクは防具が動きにくい物だと思ってるから服なんだろうね。


でも、自分用の防具服を作って着たら気持ち悪いって即座に脱いでた。


動物服のレシピが無いから染色だけして手縫いで異世界冒険者風の服を作ったのに、着たのは一瞬だった。



昔洋服着せた時に凄いぐねぐねしながら脱いだの忘れたの?かぶりものとか、写真撮ったらすぐに外してたじゃないか。


一応写真撮るまで我慢してくれるから偉いんだけどさ?ほんと、写真撮ったらすぐだったよね?


というか、この布……報告案件なのでは?


ミロクに聞いてみたら、一応レシピはギルドでコピー取ったらしい。


あとヤクシの抜け毛混ぜた凄い布で僕に服をプレゼントするんだって高村さんには言ったらしい。


凄くデレデレして、偉いですねぇ!きっと喜んでくれますよ!って言ってた…らしい。


報告してあるなら、良いかな?


「キュー」


「ん?ヤクシが着ることにしたの?似合ってるよ」



………ヤクシの抜け毛を混ぜた布で作った服をヤクシが着て意味があるのだろうか?


まぁ可愛いからいいや!写真撮らなきゃ!


追加でミロクが小さな剣を作ってくれたので、ヤクシは剣を構えるポーズをしてくれた。カッコ可愛い!


期待を込めてミロクを見れば目を逸らされたので、ミロクはきっとやってくれない。


ヤクシを生け贄に差し出すように、追加で前足に装着できる小楯を渡された。


「キュ!」


「キリッ!って言っちゃうのが可愛い!」


とりあえずヤクシの写真は、高村さんに防具服の鑑定書の写真と一緒に送っといた。



「うにゃ」


『ご主人のーたまになるあれー凄いよねー』


「…にゃ」


『うんうん、マスターが可愛い過ぎたのがー悪いねー』


「うにゃ」


『なんだ冗談かー』



………何の話してるのかな君たち?可愛いすぎでは?


あと、ミロク?錬金釜にデッサン人形のでっかいの頭から突っ込んでるけど、見た目が凄いシュールなんだけど?


何ですっぽり入ったの?錬金釜ってあんな理不尽な現象おこせたかな!?


「みゃあ?」


あれぇ?って言ってるけど何が起こってるの!?


錬金釜から腕が出てきてピクピクしてるんだけど!?


「ミロク!?」


「うにゃ」


「これ引っ張って!?え、僕が!?」


とりあえず、じゃらしでツンツンしてもピクピクするだけだったから、勇気を出して掴んで引っ張ってみた。


「ひぇっ!?」


何かリアルな人間っぽいの出てきた!


「……うにゃにゃぁ?」


失敗前提でドールと骨と肉とスライム表皮と毛皮と魔石とその他要らないものを色々入れたのがいけなかったのかな?って入れたら駄目でしょ!まずはレシピ通りやりなさい!


素人のアレンジレシピほど危険なものは無いんだよ!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る