第108話 魔女の家後半


戦闘用ドールは出てきたけど、廊下や書斎風の部屋でドールが魔法撃ったりするとメイドや執事のドールがあわあわしてるの笑う。


俺達が壁紙ビリビリしたら怒った感じで攻撃してくるのに、仲間の戦闘用ドールが家具とか壊すとあわあわするんだ。


だから、ちょっと長い間避けるだけで倒さずに反応楽しんじゃった。


戦闘用ドールは破壊すると、武器や防具を落とすけど、ドール用なので人間は使えないやつだ。


使用人ドールはたまに服を落とすようになったけど、これは人間にも着れる。ちゃんと防御力とかあるし、なんなら器用値もプラスされて、メイドスキルや執事スキルが付いてた。


これ着てダンジョン入る人居るの?コスプレ用かな?本職の人達に人気だったりして?


まぁ、とりあえず持って帰るけど。


職業が錬金術師だと使い魔スキルが使えるってネットに書いてあったけど、猫というか動物の場合職業は無いので錬金術スキルだけでもドールが使えるかって実験するつもりだし、服がないとね!


「キュー」


あ、ヤクシがイラついて前足てしてししてる。


天井が落ちてきて、家具類がつっかえて止まったので俺は無事、でもヤクシがちょっと頭をぶつけたのだ。


全然ダメージは無いらしいが、びっくりしたし、頭打った!とお怒りだ。


「うにゃにゃ?」


この天井は無機物系モンスターだから倒せば良いのでは?


「キュキュー!」


モンスターだって教えてやったらめっちゃ魔法撃ちまくりだった。完全にオーバーキルだ。


でも、天井モンスターのドロップ品が錬金術のレアレシピ(石板)だったので良しなのだ。


無機物系モンスターさんはちょっとずつ搦め手を使って来てるなぁってちょっと感心したのに皿がとんでくるのやめてもろて。


双剣使いドールかと思ったら片方が剣の無機物系モンスターさんだったり、試行錯誤が見られるのに食器系も必ず居るの何でだろ?


たまに割れたティーカップとかドロップするのは何かの嫌がらせかな?


階層を進めるごとに戦闘用ドールの装備が豪華になる傍らメイドや執事の装備が代わり映えしないの可哀想。


いや、ドロップ品の服とかの防御力とかは高くなってるんだけどな?デザインがあまり変わらないから。


「みゃ」


そういえばドールに顔付いたね。


『なんだったかなーあんな感じのー妙にリアルなー目とかガラスで入れたりしてるやつー』


猫としてはまばたきしない人っぽい何かでちょっと怖い。やんのかステップしそうな感じ。


俺的にやんのかステップってビビりつつも威嚇したい時に出るやつだから。


こっちくんじゃねーぞこらぁ!な時にやんのかステップしそうになる。


俺は元人間だから我慢して、元凶排除するんだ。怖くないんだ!猫としては怖いけど俺は怖くないんだ!……ちょっと不気味。


だって洋館でリアルフェイスな動く人形ってホラーの定番………ここダンジョンだった。


「キュ」


ヤクシからドール作るならのっぺらぼうのほうがいいな、って希望が来ました。


俺もそれに賛成だ。


そんなこんなで10階のボス部屋。


魔女の家ダンジョンの家主である魔女が出る!錬金術関連なのに魔女!


実は魔法使い兼錬金術師のレイス……女幽霊がボスなのだ!


レイスというか幽霊だから物理攻撃はスルーされる。がしかし、俺達は普通に魔力を薄く纏ってるからパンチが通る。


ついでにひっかくも魔力爪を使うので効きまくりだ。何の問題もなかった。


召還されるドールやフェアリーや無機物も数だけは多いが、そもそも攻撃を俺達に当てられないくらいの速さだから問題ない。


ただ、この魔女喋った。


『私の家をよくもぼろぼろにしてくれたわね!許さない!』




……ごめん、正直楽しかった。

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