第97話 5階突破とギルドで買い取り


マリモちゃんと一緒にうり坊を倒し終わった。


『ブルォォォォッ!!』


「なんか怒り出したんだけど!?」


赤いオーラが出てる猪がプンスコしながらご主人を追いかけ回してる。


「キュー!」


ヤクシが魔法で攻撃してるけど、猪の周りに土球がうろうろしてるから、それに阻まれてなかなか直撃しない。


ついでに当たっても、たいしてダメージ入って無いみたい。岩鎧が剥げるくらい。


「うにゃー」


『あー、うり坊倒したからーおこなのねー?』


多分だけどな。


ご主人のフォローの為に、タイミングを見て猪の顎に当たるように地面から土壁を出した。


「にゃぁん!」


土壁アッパー!


『上手にーひっくり返せましたー』


足をバタバタさせながら、起き上がろうと頑張る猪に、チャンス到来!と魔法を当てて岩鎧を剥がすヤクシ。


そして、急ブレーキ急ターンで猪に迫るご主人!


「足だよ足!ヤクシ足!」


「キュー!」


『マリモちゃんもやるー!』


「うにゃ」


タシタシと魔力グローブ着けて踏みつけ攻撃。ご主人今だ!やれー!


しばらく皆でフルボッコしたら猪は肉と魔石になった。


「………疲れた」


座り込んでしまったご主人に、回復の水を渡す。


「ありがとミロク」


「キュー」


宝箱出たよってヤクシが教えてくれたので、ご主人をチラ見すると、どうぞって感じだった。


よし!パカー!


「……にゃ?」


「ん?何が入ってたの?」


えーと、鑑定さんによると、気配察知と忍び足のスキルがついた猫耳フード付きポンチョ、人数分。


ご主人に説明したら、凄く葛藤してる。


「スキル付き装備とか凄くレアだし売るとか勿体ない、けど猫耳フードって高校生男子的にどうなの?飼い猫とお揃いとか絶対からかわれるやつじゃないの?えぇ?」


「うにゃ?」


いやご主人、俺は必要無いから売るよ?


「え?」


「にゃ」


気配察知も忍び足もスキル持ってるし、サイズ調節ついててもポンチョは邪魔。


「なるほど?」


ヤクシとマリモちゃんは着る気満々…というか既に着てる。


忍び足はともかく気配察知は欲しかったようだ。


「……有り難く着させていただきます」


ドンマイだなご主人、まぁフード被らなくても気配察知は働くから良いじゃないか。


「帰ろ?」


ポンチョを装備したご主人は、部屋の角で光る魔法陣のほうに移動する。


階層が多いとこは中ボスとかでも1階への転移魔法陣が出てくる。更に先に行くときは階段だから分かりやすい。


戻りの時間を気にしなくて良いから便利。


ダンジョンから出たらギルドに行ってドロップ品を買い取ってもらう。


今回はご主人が居るので普通に買い取りカウンターに並んだ。


まぁ、俺達は凄く注目されてるんだけどな!


「ミロク出して」


「にゃ」


入れ物に、一部の肉と魔石と猫耳フードポンチョを入れた。


「ポンチョのお金はミロクのほうに入れようね」


一緒にダンジョンに行ったとき、俺達のドロップなど売る分は生活費としてご主人のほうに入れるのだ。


まぁ、今回は俺だけ装備要らないから売った分を俺のほうに入金するらしい。


「装備ですか、鑑定は……あぁ、ミロクさんがされたんですね?」


「鑑定してない装備は着けませんよ、ミロクの鑑定結果必要ですか?」


「そうですね、ではこの書類……」


「僕が書きます」


鑑定依頼書と鑑定書をご主人に書いてもらう。


その書類を渡すと、カウンターの人は驚いた。


「スキルが2つも付いてるんですね、これならオークションのほうが良いかもしれません」


「うにゃ」


「オークションでお願いしたいみたいです」


「わかりました、入金はオークション後になります。今回は装備鑑定の料金だけ入れときますね」


鑑定料金取られるけど、鑑定依頼の報酬は料金より高い謎。


まぁ、そこら辺の仕組みなんて俺には関係ない。勝手に買い取り金額からさっ引かれるギルド手数料とかあるんだろうし。


なんか変な税金とかもかかってるんだろうか?まぁ、猫の俺が払う税金なんて消費税くらいだし気にしないでおこう。


因みにご主人の学校の生徒たちはダンジョンに行きすぎて早々に扶養から外れるのが一定数居るらしく、学校で税金関係の授業もやるそうだ。


確定申告とか無い猫で良かった。

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