第96話 5階中ボス
その後もちらほら鶏が出たが、俺はひっかくで一撃、ヤクシとマリモちゃんは魔法で三撃くらい、ご主人は運が良ければ首に一撃って感じだった。
「やっぱりレベル差が大きいね」
それな、俺もレベルが上がりにくくなってるけど、もう50いくし。
パーティーで来てるから、ご主人やマリモちゃんに経験値吸われてる気がするけど、それでも差は埋まらないのだ。
「それでも何とか鶏も楽に倒せるようになってきたね」
ご主人、鶏に受け流されてちょっとショックだったみたい。技術力上がってるから頑張れ。
そんなこんなで5階だ。
階層が多いダンジョンだと5階ごととかに中ボスが出てくる。
5階中ボスは猪だ。しかもうり坊召還系で召還中断できないやつ。
そしてデカイし速い。小型バスが突っ込んでくるのを想像すると良い。
うり坊が原チャリくらい。
だがしかし、一直線にしか進まないので速さに対応出来れば避けるのは容易だ。
まぁ5階がまるっと中ボス部屋で障害物もないから、壁にぶつけるとかしたいなら壁際で戦わないと急ブレーキかけてくる。
ついでに土魔法使うらしいよ?
「急に魔法使うモンスターくるね」
ホームページによると、岩鎧と土球を突進する時に使ってくるらしい。
土球撃ってから突撃なのか、突撃する時体の周りに土球が居るのかわからんな?
「とりあえず、僕が猪で良いのかな?」
「うにゃ」
もしもの時のタンクでマリモちゃんもご主人につける。
「にゃにゃにゃ」
ヤクシはご主人とマリモちゃんにバフ、出来れば猪にデバフ入れてからうり坊処理。
って本当はご主人が指示しなきゃなのよ?って目でご主人を見てみる。
「……いつも指示は三井君なんだよね、僕アタッカーだし」
出来れば指示は後衛、ヒーラーが行うのが全体が見れて良いと思うけど、俺達ほぼアタッカーみたいなものだしなぁ?
「うにゃ」
でも、戦闘前の指示くらいは出来る。ってご主人を甘やかさない方針。
「……頑張ります」
猫に指示待ちすんのは端から見て変だと思うの俺だけ?
「にゃにゃ」
他の人に迷惑かけないように言葉に出すの大事だよ。思いついたら即行動はおっさんで危ない。
……ご主人は納得した。
「でも、出来ればマリモちゃんがうり坊に行って欲しいかな?僕は回避型だからマリモちゃんよりヒーラー役でヤクシにフォローお願いしたい」
「キュ」
『おっけー』
「にゃ」
じゃあそれで。
ってことで猪戦開始。
ブルブル鼻息荒い猪が、前足で地面をガツガツと蹴っていた。アクセルふかしてる状態ですね、わかります。
でも、こいつも召還終わるまで動かないからヤクシがバフかけて、防御と速さと攻撃アップ。
5匹のうり坊が召還され、待ってましたと猪が突っ込んできた。
「こわぁぁっ!?」
一斉に散開したが、小型バス並みの猪が突っ込んでくる恐怖でご主人が全力逃走してる。
俺はそれを横目に見ながらうり坊の足を折り、首に噛みつき骨を砕いた。体が大きいのはお前らだけじゃないのだ!
俺は今、虎サイズの猫だから歯も牙みたいなんだぞ!憧れの猛獣みたいな狩りが出来るのだ!
ただ、1匹ずつ首を折るのも大変だからあとは突っ込んでくるうり坊の進行上に土魔法でスパイクを作って突っ込ませてる。
「うにゃにゃ!」
慣性の法則を使ったインテリジェンスな倒しかた!
『マスターはー発言がーインテリジェンスじゃないなー』
……え?
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