第93話 カエルとワニ
3階で泥と草に足をとられながらご主人は進む。
ドラゴン2匹は浮いており、俺はご主人のフードに入ってるのでご主人だけが大変な階層だ。
亜熱帯の湿気マシマシな感じ。
ここに出るのはカエルだけじゃなく、ワニやらカラフルな鳥やらが出てくる。
因みにカラフル鳥の肉は不味いらしい。ノンアクティブモンスターだけど、カエルの破裂なんかでリンクしちゃう時も有るから注意だ。
「湿気凄いな」
『マリモちゃんはー好きよー?』
「キュー」
植物よりだからそうでしょうねって、気だるい感じのヤクシが言ってる。
俺はフードの中でだらんとしてるよ?猫が湿気に勝てるわけ無いじゃないか。苛立ってご主人の後頭部に尻尾をタシンタシン当ててる。
「ミロクの尻尾で風が来て良いのか、ワルいのか」
「うにゃにゃ」
そんなこと言ってないで、右側にカエル居るぞ。
カエルは隠れるの上手いからな、俺は気配察知でわかるけど。
「おっと………あ、居た、居たよ」
右側をジーッと探してようやく見つけたご主人。今度写真の何処に動物隠れてるでしょうクイズやろうな?
それか小ダンジョンで気配察知のスキルが欲しいってお祈り。
……こう思うと、やっぱ小ダンジョンでスキルとか揃えて普通ダンジョンに来るのが正解なんだなってなる。
まぁ、他の奴らが小ダンジョンで欲しいスキルが出てるのか謎だけど。ダンジョンさん、動物に優しいからなぁ。
「キュ!」
ヤクシ、口から水鉄砲撃ってるだけでゲロ吐いたんじゃないから。
「ゲロとか言わないで!?」
『そう言われたらー当たりたくなーい』
カエルって当たれば痛い程度の水鉄砲を連射してくるってギルドホームページに書いてあったなぁ。
フードがめっちゃ揺れる!今小さくなってるからばいんばいんしちゃう!
「うーにゃー!」
さっさと倒さんかーい!
「ごめんミロク!粘液っぽいので剣が滑る!」
「うにゃにゃ!」
魔法があるでしょ!と言えば、足が止まっちゃったご主人。
「あブッ!?」
あーあ、顔面に水鉄砲当たっちゃった。しかも攻撃力がそこまで無いから、お守りも反応せず直撃だ。
「キュー」
ヤクシがサクッと光の矢を刺して終了。
俺はタオルをご主人の頭にのせてやった。
「……ありがとう」
「にゃぁ」
カエルで良かったなご主人。そう言ってやると、頷いたご主人。
ご主人はちゃんと反省出来るので俺は叱りはしないのだ。
ただ、ご主人の後頭部を前足でタシタシはする。タシタシ。
「ちょっと剣に拘り過ぎてたかも、双剣に変えてから動きの修正とかしたくて剣で攻撃することしか頭に無かったね」
『敵がー弱すぎてー魔法使うまでもなかったからー』
「キュ」
ドラゴン2匹もしょんぼりだ。この2匹フィジカルは凄いが戦闘経験的には未熟。
俺?毎日じゃらし相手に戦う猫の狩猟本能舐めんな。あとゲーマーだった前世がいい感じに補完してくれてる。
俺、魔法剣士使いだったので。
まぁご主人もだけど俺達は、魔法と物理って感じだけどな。
だから咄嗟に物理が出るのは仕方ない。
「うにゃにゃ」
「魔法も選択肢として出るくらいに魔法を使って戦うのが良いって?」
ご主人は職業変えられるじゃん。
「にゃぁ?」
剣士で30いったんだから次は魔法使いで30いけば魔法剣士出るのでは?
「あ、そういえば職業変えられたんだった」
「にゃ」
後でな後で。ダンジョン内でするこっちゃ無いのだ。
とりあえずワニ来てるから、双剣構えて。
ご主人もドラゴン2匹も察知能力クソ過ぎない?これ俺が猫だから?いや、猫の俺だって後ろにご主人居るの気がつかなくてびっくりすることあるし、やっぱスキルかな?
「うわっ、ワニ居るワニ!」
ガパッと開けた口をかかと落としして閉じたご主人。
そこで口の中に魔法突っ込まないで閉じちゃうとこご主人だなって思う。
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