第91話 突撃というより転がる


検診の結果異常なし。


ちょろっと小ダンジョンにお邪魔して、検温スキルの実装をお願いした。


ついでに、攻撃力アップの腕輪をゲットしたのでご主人にお土産。


ご主人は魔石食べてるからレベルアップが早くて、レベル30になったらしい。


ついでに双剣使うようになった。


物理攻撃の火力が足りない?マリモちゃんが居るから問題なし。


マリモちゃん、元の大きさめっちゃデカイから、デカイは強いよ。



そんなわけで、第2回ご主人とダンジョンのお時間です!


本日肉系ダンジョン2階に来ております!



2階の注意点は小麦を採取したら鳥が襲って来ることです。


「にゃあ」


「うわっ!?鳥の突撃ってこっち!?」


コロコロ転がりながら突撃してくる鳥を避けながら、ご主人が一撃入れてる。


まぁ、体勢が不安定だったから羽毛に阻まれてカスダメ。それを俺が猫パンチで打ち上げて、次はマリモちゃんが尻尾アタックでヤクシにパス。


ヤクシは後ろ足でキックしたが、そこで鳥のHPが無くなって魔石と鳥肉へと変わった。


「キュ」


「うにゃ」


「いや、別にパスしたんじゃないんだよ?」


ヤクシに次は自分にパスちょうだいって言われたからOKしたんだが、ご主人的には無しだったようだ。


「にしても、やっぱり中級ダンジョンのモンスターは一撃ってわけにはいかないね」


「にゃ?」


遊んでたのでは?


「キュ」


『うんーマリモちゃんたちのー認識ではー遊んでたのー』


その証拠にほれ、突撃してきた鳥にひっかくで終わりだ。


「…遊んでは無いかな?」


「うにゃにゃ?」


ご主人は武器のランクあってないんじゃない?


「え、そうかな?」


「キュー」


ほら、ヤクシももう少し丈夫な武器使ったほうが良いって。


「これ一般的な初級クラスの武器なんだけど?」


「にゃん」


「あ、そっか…魔石の分だけステータスが高いんだ」


それな!だから無意識に武器が壊れないようにセーブしてる感じする。


「うにゃあ」


「そうだね、ミロクが持ってきてくれた双剣使うよ」


小ダンジョン産の割に良いやつだからな。小ダンジョンで猫なのに剣とか斧とか色々出たんだ。



剣とか以外はギルドに売ったけど、ご主人にあげるのは俺のストレージに入ってる。


ご主人、ストレージのスキル出ないかな?ってたまに小ダンジョンに行ってるけど、まだ出ないんだって。


というわけで、ご主人に双剣を渡して使ってたやつをストレージにポイポイ。


材料は同じ魔鉄ってやつだけど、ダンジョン産のほうが質が良いのだ。


そこは仕方ないところ。だから上級の探索者はダンジョン産の武器を複数確保しとくみたい。


ほら、おっさんのあれだ。普通はあんなに溜め込まないらしいけど、あれだ。


新しい武器で数回素振りしたあと、鳥の突撃を避けつつぶったぎったご主人。


「……武器って大事だね」


「うにゃぁ」


何を当たり前のことを言ってるのだご主人、ミロクも毎日爪を研いでるだろう。と言った、願わくば爪切りの頻度を落としてはくれまいか?


「うん。でも爪は切ります」


「にゃぁ……」


ですよね……


あれ、何かそわっとするんだよなぁ、暴れはしないけどちょっと嫌なんだよね。

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