第90話 動物病院


チマチマ魔石を食べてたら、耐性が上がりきって無効になった。


ただ、この無効ってのが一定のダメージは完全に無効ってやつで、一定を超えるとダメージが入る感じの無効だ。


この一定ダメージってのがレベルやらステータスやら相手のスキルレベルやらで決まるので、やっぱり安心は出来ない。



ただ、少なくても初級ダンジョンの敵の攻撃は無効になるようだ。例外は酸や毒等の状態異常系だけど、いつかは状態異常耐性もとれるだろう。



それにプラスして、魔力ガードがスキルになったのでうっすら魔力を纏ってる状態を維持しやすくなった。


でも、今日はダンジョンに行かないのだ。



今日は………病院に行かねばならないのだ!検診の日が来てしまった!



元人間なら病院もらくしょーだろうって?


馬鹿いってんじゃねぇ!動物はな!検温でお尻にプスッとされるんだぞ!元人間だからこそ恥ずかしいんだ!



そんなわけで、俺は行きたくないモードでクッションにしがみついている。


クッションなのは手間かけさせたくないからクッションごと持ち上げられるようにだ。一応行かなきゃならないのは理解してるから、せめてもの反抗ってやつ。


「ウゥゥ……」


「ミロクは暴れはしないけど病院嫌がるよね」


「ウゥ…」


ご主人、俺は今覚悟を決めてる途中だからそっとしといて…


どんどんご主人の自転車が進み、病院に来てしまった。


因みにこの病院はテイムモンスターも診てくれるので、ヤクシとマリモちゃんも一緒だ。


この2匹は病院で何をされるか知らないですやすや寝てる。


え?教えないのかって?嫌がってご主人の手を煩わせたら大変だろ?言わないに決まってる。


「はい到着」


あーあーあー!着いちゃった!


ご主人が受付して、直ぐに診察室に入って先ずはマリモちゃん………あれ?検温は?しないの?


何かバーコードリーダーみたいなのを当ててピピッと……何頷いてんだ先生!


「魔力不足も無いみたいだから大丈夫だねぇ、まぁドラゴンなんて診たの始めてだけど、テイムモンスターは魔力不足じゃなければ病気しないから」


どうやら魔力不足かどうかを見るだけなようだ。


ヤクシも魔力不足じゃないとのこと。


んで、俺はお尻にプスッ。


目をかっぴらきにして軽く口が開いちゃうのだ。


「キュ!?」


『えぇ!?』


「ミロクは普通の猫だからね、君たちとは調べ方が違うんだよ」


ご主人が2匹に説明してる途中で抜けてった。平熱らしい。


あとは体重だったり血液検査だったりをやって結果待ち。


「うにゃ…」


人間は毎回尻に棒を入れなきゃ気が済まないのか…と2匹に愚痴っとく。


「あれ体温はかってるからねぇ」


でもなご主人、待合室に居る他の犬や猫は刺されるのも嫌だけど尻に何かやるの気持ち悪いって言ってるだろ?


聞こえてるよな?ご主人。


「まぁ、仕方ないよね」


ご主人、実は俺が検温の時に衝撃受けてる顔が可愛いと思ってんだろ?


俺だって人間だった時は可愛いと思ってたけど、今は猫だからな。他人事じゃねぇのよ。


ダンジョンさん、検温スキルとか獣医さんに付けてくんねぇかな?今度小ダンジョンで呟いとこ。

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