第82話 フォレストドラゴン
本日、ご主人は放課後に友達とスライムダンジョンにレベル上げに行くそうだ。
三井からご主人の様子がどんな感じ?と連絡来たので、割りと普通と返しといた。
ご主人、一応おっさんの英才教育受けてるから戦闘関係ではテンパらない。
まぁ、おっさんの英才教育って内容は高村らしいから安心。
高村はおっさんには普通の人付き合い出来ないと思って、戦闘訓練での交流にしたんだって言ってた。
だって、ご主人がおっさんに連れて行かれたのゲームセンターじゃなくてパチンコらしいよ?初めて行く時に1人じゃ怖いからご主人も一緒に連れてったんだとか?
因みにご主人はまだゲームセンターだと思ってる、小さな時に行った所と違って色々あるんだねとか言ってた。
俺はというと、マリモちゃんの鉢の中に魔石を入れて誤魔化してるけど、ダンジョンいきたーいって念が送られてくる。
ので、ビニール袋とご主人の捨てるシャツを使って鉢植えを入れる鞄を作成した。
「にゃー?」
小ダンジョンで良いのか訊くと……
『しょー』
とのこと。
仕方ないので小ダンジョンに入ったさ。ヤクシも怖いもの見たさでついてきた。
「うにゃにゃー」
マリモちゃんに、ご主人の趣味の水やりとか無くなるとなぁ……とか、デカクなって家に入れなかったらダンジョンに住まわすとか、これ以上アタッカー要らんのよなぁとか、うにゃうにゃ聞かせといた。
因みにマリモちゃん、鉢植え状態でも植物魔法で自分を伸ばして攻撃出来る。テイムされた時に自我が目覚めたらしい。
一本一本ではなく、塊でマリモちゃんなんだってさ。本人曰くスライムみたいなー?雲みたいなー?よくわかんなーい!らしい。
鑑定でも出てこないので、そういう物だと納得しといた。細かいことは気にしなくても良いのが猫の良いところだと思う。
というわけで、道中は葉っぱでぺしぺししたり、グサグサしたりと戦えてるマリモちゃん。麻痺と毒の無効持ってるの草っぽいよな。
因みにご主人、日々の水やりを回復の水で行うという暴挙をかましてる。
だから水筒に回復の水を補充しておかなければならない。
ボス部屋前でマリモちゃんに水がいるか訊いたら、霧吹きじゃなきゃ嫌なんだとか。
そのままボス部屋に入ってゴブリンを瞬殺したマリモちゃんは、同時にダンジョンコアまで壊してた。
まぁ、予想した通りなんだが、フォレストドラゴンに進化した。
小型化は標準装備でヤクシと同じチワワサイズのマリモちゃん。
木製の西洋ドラゴンタイプで所々に小さな白い花や葉っぱがついてる。
『やったー移動できるぞー!』
念話がスムーズになってるなぁ。
えーと、魔苔は世界樹の雫が落ちた場所に生えた苔が発生の由来になっている、そしてその苔を食べた幼竜がフォレストドラゴンに進化した……という物語。って鑑定に書いてあった俺はいったいどうすれば?
え、世界樹あるの?というか魔苔を食べたドラゴンがフォレストドラゴンにならなきゃ駄目だよね?何で魔苔から進化した!?
あと物語ってなんにゃの!?
俺は尻尾でタシーンタシーンと地面を叩きながら、うにゃー!とダンジョンに文句を言うことしか出来なかったのだった。
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