第71話 格付けチェックで見たやつ買ってみたよ
ご主人は早速カニカマを用意してくれた。
一応俺にも水にさらして味を薄めたやつをくれたぞ。
しかもだ。ご主人は面白がって色々買って来てくれたんだ!
お魚シリーズのこんにゃくとか、うなぎ擬きとか、謎肉とか。
「キュ?」
何か豪華?って言ってるが、本物は無い!無いけどうまけりゃ良いのだ。
「これがカニカマね」
「キュー!キュ?」
美味しい!けど昨日のと違う?と悩んでる。
「次はマグロっぽいのとサーモンっぽいのとイカっぽいの」
「キュー?」
お刺身?って疑問に思ってるな。
「うなぎの蒲焼きっぽいの」
「キュ!」
これがうなぎ!って言ってるが、うなぎではない。そういえば本物のうなぎを食べさせたこと無かったな?
「肉っぽいの」
「キュ!……キュ」
美味しい!けど肉ではないらしい。
「カニカマはね?蟹っぽくしたカマボコなんだよ?」
カパーっと口を開けて驚きの表情になるヤクシ。
「あとこの魚っぽいのはコンニャクで出来てて、うなぎも実はカマボコ、この肉っぽいのは大豆の加工品」
「キュゥー!?」
凄く驚いてる。
「にゃふにゃふにゃふ」
笑いを堪えるの失敗!ヤクシに軽く前足でペチペチされた。
「様々な理由で食べられない人が食べた気分になれるように考えられた商品なんだよ?」
「キュゥ」
人類の叡智とか壮大なこと言ったぞコイツ。
「うーん、どちらかというと日本人の食い意地?」
ご主人、正解。
「うにゃにゃにゃ」
ヤクシもテイムモンスターが食事を魔力に変換するからって雑に済まさず食を楽しまなきゃ駄目だぞ。
俺は殆ど人間の食事を食べられないんだからな!
「キュキュ」
「そっか、ミロクが食べれないからミロクと一緒で良いんだ?ヤクシはいいこだねぇ」
「にゃー…」
ヤクシ……
ここで気にせず食べろと言えない心狭い猫でごめんな?
今度レアモンスター倒して魔石あげるからな!
待ってろよ!お猿!ヤクシのために倒しに行くぞ!
というわけで、ヤクシの食育?が完了した。
「キュー!」
それはそれとして意地悪!とヤクシがじゃれついてきたので応戦。
甘噛みしながら蹴り蹴り、ぐるんぐるんと体勢を変え、一瞬ピタッと止まる。
「うにゃ」
「キュ」
そしてまた再開!
「蹴りがシンクロして蹴りになってない、可愛い可愛い過ぎる……抱き合って後ろ足で肉球タッチとか!何がしたいんだ!僕を萌えさせたいんだよねわかります!」
……ご主人はたまに壊れる。
「あ、こっちみなくていいよ?続きどうぞ?」
ヤクシと顔を合わせてアイコンタクト後、スルッと離れる。
「あぁぁぁ……」
残念そうなご主人だが、猫ってそんなもんだ。
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