第69話 美味ければ食うよね?
ダッシュ!ジャンプ!猫キック!
軽い牽制の気持ちで跳び蹴りしてみたら、おっきな蜘蛛がぶっ飛んだ。なんか木にぐしゃっとぶつかって既に瀕死っぽい。
「キュ」
そして容赦ないヤクシの追撃。光の矢が5本くらい蜘蛛に突き刺さって、蜘蛛は消えてしまった。
「うにー……」
「キュゥ……」
2匹でえぇ……って感じだった。もっと、こう、戦ってる感欲しかった。いや、推奨レベル15くらいだから仕方ないっちゃ仕方ないんだけどさ。
ヤクシはまだレベル10くらいだけど、ドラゴンスペックだからヤクシのレベル上がり難いんだよね。基礎値が元々高いからレベル上がり難いってやつ。
というわけで、たいした見せ場もハラハラもなくあっさり倒せちゃった。
ドロップは糸と魔石と足。
……足?鑑定さぁん?
どうやらファンタジーあるあるの蜘蛛の足が蟹っぽいアレなやつらしい。しっかり食用って書いてある。
「にゃ?」
「キュ」
食べる?と訊いたらイヤって頭ぶんぶん振られてしまった。
なんか凄い目で見てくるけど、お前日本人嘗めんなよ?うまけりゃ毒が有ろうがゲテモノだろうが食う民族だぞ?
猫も食べて大丈夫って鑑定さんがお墨付きくれたんだ、食うだろ。蟹味だぞ?
ご主人にも分けてあげよう。足をストレージにポイだ。
魔石は……裁縫のスキル。なんというか、ダンジョンさんはファンタジーを嗜んでいらっしゃる?
ヤクシに裁縫スキルの魔石だから貰うと言って食べた。チョコ味。
さて、中ボスのリポップは30分かかるし、ウルフ系倒して持久力アップ狙おう。
犬やウルフ系は魔石で持久力向上が狙える。
いや、猫なので瞬発力には自信が有るけど持久力はちょっと……だから魔石でアップを狙うのだ。
たまに咆哮やら遠吠えやらのスキルがついてることもある。まだその辺の検証結果は出てないみたいだけど、この前の魔石鑑定の時にわかったこともある。
魔石にスキルがつくのはモンスターのスキルレベルに依るんじゃないか?ってこと。
特性って言い方でもいいけど、大半はステータス値アップ系、魔法が使えるやつなら魔法がついて、技術系でもそれがつくのでは?って思ったのだ。
蜘蛛はほら、クモの巣は編み物っぽいし?
魔苔?やつは実はヤベェやつなので。特殊孵化って進化の先取りしてる系と同系統別種系があるんだけど、それを考えたら特殊孵化にドラゴン出ちゃう魔苔のヤバさがわかるだろ?
植物魔法くらいさらっと出るわ。
「うにゃ?」
「キュキュー」
考えるのをやめてヤクシに帰るか訊いたら帰るとのこと。
やっぱりボスはご主人と一緒に来たいらしい。
中ボス倒さないとボス部屋行けないからなぁ、ご主人が蜘蛛相手にどんだけ戦えるのか……小ダンジョンでも半泣きだったし、大きくなったらそんだけグロいし。
いざとなったら俺がご主人のけつを叩いて蜘蛛の前に押し出そう。人間やれば出来る!
ご主人は狩りの出来る猫…じゃないや、狩りの出来る人に育てるのだ!俺が貢ぐだけだとご主人が気を使うしな!
俺は男の子のプライドってやつに配慮出来る猫なのだ。
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