第68話 昼寝大事


1時間はもうすぐかなぁ?と入り口に移動してヤクシと合流。


「キュキュー!」


モンスター倒して魔石沢山食べた!とのこと。うむ、いっぱい食べて大きくなれよ!



「にゃん」


ヤクシに結界をお願いして、レジャーシートと皿と水と鍋を出す。


鍋に水を入れて魔法で温め、ドロップした鶏肉を茹でる。そして皿に盛る。


別な皿には水を入れてお昼ごはん!


ふっふっふっ、贅沢だろぉ?


ちゃんと後でご主人にも鶏肉あげるんだ!


俺は別にご主人を狩りの出来ない猫だとは思って無いけど、何故か食べ物を貢ぎたくなる。不思議。


ご主人は複雑そうな顔でありがとうって言ってくれるので、猫としての満足感があるのだが、人としては何かごめんねな気分になる。




……何か沢山の探索者に囲まれてるし、スマホで多分写真撮られてるけど無視だ。


ヤクシも嫌そうにチラ見してから、肉に集中した。


食べ終わったらお片付けして、スマホでアラーム設定してからお昼寝だ。


いや、ダンジョンから出ろよって話なんだが、面倒なんだ。


それにちょうど良い感じで爽やかな風とぽかぽか日和、柔らかな草。


寝るしか無かろ?


ヤクシの結界は寝てても維持出来るのは検証済みだから更に安全。だからおやすみなさーい!



1時間後


『コーケコッコー』


「にゃ」


パチッと目覚めた。おはよう!


「キュー」


ヤクシもおはようしながら顔を洗ってる。


「うにゃにゃ」


「キュ!」


周りでざわついてる奴等は無視して、蜘蛛倒しに行こうと提案。


ヤクシもオッケーらしいので、奥の方に移動する。


俺らが移動する側にいた野次馬が綺麗に道開けてくのウケる。俺はモーゼになったのだ!


「キュキュ?」


「にゃん」


蜘蛛は糸目的?って訊かれたので、肯定しとく。


森の奥にはちょっとした広場があって、そこが蜘蛛の縄張りになってるらしい。


ボスはボス部屋に居るが、こういう戦うための場所みたいなのが用意されてる時は中ボスと呼んでるらしいよ(ネット調べ)


ご主人、足の多い虫が苦手なのでどんなもんかと確認しときたい。ついでに糸も欲しい。


ほら、動物は防具駄目だけど服ならいけそうな気がするだろ?服にちょっとでも防御力あったら尚良いじゃん。


ご主人へのプレゼントには錬金術でヤクシの毛と合成して布にしなきゃだけど、俺たちは毛もあるし、服にちょっと防御力あるだけで充分だとおもうんだよね?


ご主人には毛が無いからなぁ、寒さにも弱いし、クッション性も無いんだ。


「キュ!」


お、広場到着。おぉ三輪自動車並みの蜘蛛だ。


タランチュラを固くしてちょっとトゲトゲつけましたって見た目の蜘蛛が、前の2本の足をゆっくり挙げる。


『ギシャァァッ!』


「シャー!?」


突然叫ばれてビックリしてしまった。尻尾はピン立ち背中は丸まり足もぴょんぴょんしちゃう。所謂やんのかステップでシャーしちゃった。


ビクッ!


「にゃ?」


今、こいつビクッとしなかった?


「キュ」


したね。とヤクシが言ったので、実はこいつビビってるのでは?と思う。


「キュキュー」


多分、俺たちのレベルが初心者ダンジョンの推奨レベルを超えてるからって言うのがヤクシの見解です。


ほうほう。つまり……


「うにゃー!」


楽勝だー!ってことか。


でも一応、気を抜かずに行こう!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る