第64話 飼い主に似る
「ここって探索者向けのもあるんだぜ」
そう言ってまず紹介されたのは乗馬ゲーム?鞍と手綱と鐙がついてるゲーム機だった。モニターには草原と障害物が映し出されている。
「テイマー向けのレースゲームな」
そういえばギルドに乗馬講座あったね。
「馬にさえ乗れないなら、テイムモンスターなんて乗れないもんね」
「おう、ギルド講座前にこういうゲームで振動とかに慣れとくことを薦められるんだ」
ちゃんと乗り方とかも説明書きがあるし、初心者でも出来るゲームだ。
やってみると、ミロクとは違って振動がヤバい。お尻が割れる!
「これ、ミロク、違い、すぎ!」
「なっはっはっはっ!」
「うにゃ、うにゃにゃ」
ミロクに猫と馬の歩き方一緒にすんなって言われた!こちとら一応肉食だぞこらって家猫じゃないか!確かにそうだけど納得いかない。
「くっ!この手綱壊れてるのでは!?馬がぶつかるんだけど!?」
「微かな体重移動とかも検知してっからな!しかもちょっと引けばいいのにぐいぐいやるからぁ!」
僕は馬ダメだ。
「うーん、じゃあカートにしてみる?」
というわけで、馬じゃなく文明の力である車のレースゲームだ。
えーと、アクセルとブレーキと……
「3・2・1・GO!」
ギュリュリュリュリュリュガシャーン!
「えー……」
「神木、お前自分で車運転するんじゃなくて自転車と公共機関つかえ、な?」
僕ちゃんとやったよ?まぁ車は講習所通ってからだよね?うん、出来なくても仕方ない。
「乗り物系ダメなんだなぁ、だったらシューティングゲームはどうなんだ?」
シューティングゲームって、あのゾンビ撃つやつ?
というわけで、三井君と2人でゾンビを倒す!
「ちょっと待って!待って待って来ないで!まだ狙ってるさいちゅっ!待ってってば!」
「おぉ……文句言いながら倒しまくってるな」
「にゃぁーん」
「キュー」
ミロクとヤクシも応援してくれてるから頑張って倒す!
「気持ち悪いから!何で飛び散るの!」
「ゲーム演出にまで文句言い始めたぞ?」
何か三井君がミロクに大丈夫かきいてたけどダイジョブだよ?
「にゃにゃ」
「そうだね、何かスッキリしたね!」
「何かが発散されたなら良かったのか?」
こういうのは多分得意だね!
「キャンキャン!」
「お、銀がお目覚めだ」
「じゃあカフェ行かない?ちょっとお腹空いてきちゃった」
時計を見たらもう昼だ。
カフェスペースで三井君はフィッシュバーガーとカツサンド、銀のためのササミ肉を買ってた。
僕はオムライス、ミロクとヤクシはカリカリに鰹節をのせた猫ご飯を買った。
「ヤクシってホントにカリカリで良いんだな」
「キュー」
「モンスターは基本的に何でも食べれるらしいよ?食物から魔力に変換して栄養摂取してるんだってさ」
「うにゃ」
「魔石が一番喜ぶって」
「確かに、小魔石への食い付きはんぱねぇもん」
「にゃ?」
「きゃん!」
えぇー?今凄いこと聞いちゃった。
「三井君、銀は小さいほうが小さい魔石をいっぱい食べてる気分になるから小さいままなんだって」
「……え、こいつアホの子なの?」
「きゃうん!?」
「大きくなってダンジョン入れたらその分魔石も大きくなるのにね」
そう言ったら、ハッ!と気が付いたあとにガーン!って感じでショックを受けてた。
「にゃ」
ミロクが銀の頭ポンポンしてるけど、さすがアホの子って慰めて無いよね?
「キュキュー」
ヤクシは普通に笑っちゃってるし。
「また小ダンジョン行くから、今度こそ成体選ぼうな?」
「クゥン……」
モンスターって高位になれば知能上がるんじゃなかったのかぁ?って三井君が悩んでるけど、僕はミロクに聞いて知っている。
テイムモンスターにはテイマーの魔力を通じて常識とかがインプットされ、その時に相性が良いように性格も決まる可能性があるって推論を、ミロクに聞いて知っているのだ。
つまり、そう言う事なんだよ。
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