第61話 両手がふさがると何も出来ない
地獄の魔石鑑定を経験した俺は卵50個なんてちょちょいのちょいなのだ!
まぁ、時間がかかるのは入力作業なんだけどな。
念動はMP消費なのでちょいちょい休憩もしたが、1日で終わった。
ただ、紙を貼った卵が50個床に転がってるので高村に確認してもらって終了サインをもらわないといけない。
「もう終わったんですね。えーと…はい、確認出来ました。神木が退院したら報酬は振り込ませますが、渡すのは免停期間があけるまでお預けにしますね」
依頼書のほうに俺の肉球スタンプと高村の印鑑を押して依頼完了処理をする。
ついでに高村が持ってきた色紙にも肉球スタンプと前足でペンを持ってへにゃへにゃなミロクのサイン。
ヤクシの分もお願いされたので、ヤクシも頑張って書いてる。
「この前颯人君のお友達にサイン書いたでしょう?ミロク君とヤクシなら書けるのでは?と思いまして……ファンとしてグッズは確保しときたかったんです」
あ、うん。ヤクシまで対象なんだな、やったぜ!俺とヤクシで高村の興味半分ずつだ!
「推しが増えると生活が2倍楽しくなりますね!」
……倍加すんの?
なんとも言えない気分で高村にさよならして、家に帰った。
ギルドの仕事だったから、カメラは起動してなかったが、家ではペットカメラがいたるところに設置してある。
これ、ご主人にきいたんだけど殆ど高村が送ってきたやつらしいぞ。ご主人は猫部屋にしかペットカメラつけてなかったんだ。
でも猫扉で他のところもうろちょろするから、高村が他のところもつけて欲しいってカメラ送りつけたんだって。
まぁ、基本的に俺がのんびりしてたりご主人と遊んだりするとこしか動画にはしてないから、ご主人のプライバシーは守られてる……気がする。
ヤクシもだけど人並みの理解力はあるし、なんなら倫理観も人並みだ。
だがしかし!俺は猫なのだ!特にやることないと寝ちゃうのだ!むしろ寝るのが仕事?寝る子とかいてネコでもいいと思う。
隅っこも箱もいいけれど、たまには床の真ん中にへそ天するのも乙なものよ。
前足は万歳、おまたおっぴろげーなんて格好で、堂々と真ん中に寝る。
そして帰ってきたご主人にお腹こちょこちょされて起こされる。
これぞ幸せ!
カリカリとにゃーるを貰って更に幸せ。
「うにゃにゃ」
「あ、もう終わったんだ?頑張ったね」
ご主人のナデナデ最高!
「ヤクシもお手伝いしたんだね、偉いねぇ」
「キュゥ」
ご主人の両手に俺とヤクシ。両手に猫とはこの事か……
む。やめるでない、撫でれ。腕をポンポン叩いて催促、ナデナデ再開。
ピタッポンポンナデナデ。
ピタッポンポンナデナデ。
「いつまで撫でてれば良いのかな?」
「……にゃ」
「あと1分ね」
5分って言ったが?ご主人?おい、ごしゅじーん?
1分でご主人はやめてしまった。
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