第21話 犬と佐藤と小ダンジョン4
ボスは毎回ゴブリンだが、今回は3体も居た。
「うわ、急にちゃんとしたモンスター出てくるやん。難易度変ちゃうか?」
だよな?佐藤ならつっこんでくれると思ったぞ!
「にゃ!」
『先ずはミロクが見本見せる』
というわけで、ダッシュしてスパン!で、戻る。
「にゃにゃ」
魔力を体に行き渡らせて、魔力爪で首を切る!モンスターでも首を切ればだいたい死ぬ。と犬たちに説明した。
「「わん!」」
了解!と返事して、早速ダッシュしてスパン!した2匹。
うむ、合格!
「元の身体能力が違うんやなぁ、小ダンジョンでちょろっとレベル上がっただけでゴブリン倒せるんやね」
佐藤が納得してるので、俺はダンジョンコアを咥えて地面に置いた。
「にゃ!」
これがダンジョンコアだぞ!と2匹に見せるためだ。
祭壇みたいなやつは小さいので、犬たちは跳び乗れはするだろうが危ない。安心安全がモットーのミロクツアーなのでサポートはバッチリなのだ。
犬たちはダンジョンコアをスンスンしてるが、匂いはないぞ?犬だと匂うんだろうか?
「ダンジョンコア壊さんの?」
「にゃ」
佐藤に促されたので、ダンジョンコアを踏み潰した。勿論魔力グローブで覆ってだ!ぷにぷに肉球が傷付けばご主人が悲しむからな!
『ダンジョンクリアを確認しました。報酬としてスキルか進化を選べます』
というアナウンスがあり、俺と犬たちは驚いてぴょーんと跳んだ。
「うわ!?なんなん!?アナウンスよりあんたらにビビったやないか!」
仕方ない、反射てきに跳んじゃうのだ。
「「わん!」」
「にゃ」
「てか、俺はなんもしてへんのにクリア報酬あるんやね」
犬たちは進化して大魔犬になり、小型化スキルで普通サイズに戻る。
俺は最初進化してからしばらくはスキルしか無かったけど、今回は進化があった。
まぁ、小ダンジョンクリアするたびに進化するわけ無いかと納得してたけど、今回は複数で来たからかレベルが上がったからか、理由はわからないが進化出来るらしい。
進化してみると賢者猫になっていた。大魔猫の上位版みたいなやつだ。大きくなるし小さくもなる。毛がふわさらの艶々になって、ますます美猫になってしまった。
「えぇ?俺というか人間にも進化あんの?こわぁ!進化先が選べるとかなんなん?エルフとドワーフとヒューマンて、ゲームやあらへんのやから!てか元々ヒューマンやっちゅうねん!」
なんだと!?人間も進化すんの!?初耳なんだけど!?
『人間にも進化ありゅの!?』
「あるみたいやねぇ、嫌やわぁ。これ初動間違ってたんと違うか?狭いゆうても小ダンジョンクリアして進化してから普通のダンジョンに入れば、そこまで難しくないんや無いのって思うんやけど?」
佐藤曰く、進化すればステータスにプラスが入るらしい。エルフは魔力や器用や敏捷、ドワーフは体力と筋力と頑丈、ヒューマンは全てが少しずつプラス補正されると説明が出てきたらしい。
ついでに見た目もそこそこ変化するみたい。
『人間は痛がりで怖がりだから仕方ない』
これはまた世間が騒がしくなる予感だ!
とりあえず俺はご主人を小ダンジョンに入れると決めた!こっそりやれば問題ない!なんたって俺は猫だからな!人間の法律は適用外だ!
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