第20話 犬と佐藤と小ダンジョン3
移動しながら犬二匹にひらがなを教えることにした。
念動スキルでスマホを浮かべながら、ひらがなを書いて読み上げする。
「にゃ、にゃぁん」
後でひらがな表をもらって勉強すると人間とのコミュニケーションが楽になると教えたら真面目に覚えようとしてる。
『ごはん、まずい、うまい、ざぁこ、おまえのあしにおうんだよ』
「にゃん、にゃ、にゃ、にゃにゃにゃん」
訳:ご飯、美味しくない、美味しい、弱いね、足が臭い
「待って!?なんちゅう言葉教えとんの!?」
『そんなこともできないのぉ?ぷぷぷ』
「にゃ」
訳:人間が何か失敗した時に言うやつ
『わろす、おわた、ぷぎゃー』
「にゃ、にゃ、にぎゃー」
訳:笑う、終わり、馬鹿にしてます
「あかんて!ちゃんとした言葉わかるやろ!?何教えてんねん!?」
「にゃぁ?」
え?猫だからわからんなぁ?
「にゃ!」
モンスター出たよ!と注意すればシュタッと構える犬たち。
「にゃん」
蝶々だから麻痺や毒の耐性を取れるまでそのままだと指示を出しとく。
『佐藤、麻痺とか毒の耐性取るまで手出し無用』
「そうなん?ならちょうどいいから休憩するわ、さっきから中腰辛いねん」
というわけで、座り込んだ佐藤は見事に麻痺って耐性をゲットした。
その次の毒でも同様に、耐性ゲット。
「「くぅん」」
「車酔いな気持ち悪さやなぁ、おぇ」
なお、俺と違って車酔いの気持ち悪さの感覚がわからなかった犬たちは、軽くグロッキーだった。
まぁ、落ち着くまで水飲んだりウサギ肉を魔法で茹でたのを食べたり休憩。
味付けしてない肉は佐藤には不評だったが犬たちも俺も美味しく食べた。
後は倒すのに頭使う系モンスターたちを倒して、ボス部屋前にやって来た。
「回復の水まであんのかい!小ダンジョン普通のダンジョンと違いすぎやろ!」
『ボス部屋前には毎回あるぞ?』
「普通のダンジョンならもっとわかりにくい場所か5階ずつとかのボス部屋前にしかないねん!しかも少量!ダンジョンから出しても3日は効果が続く貴重な水やねん!腕とか生えてくんねんぞ!?何でこんな大量にあんねん!」
腕生えんの!?体力とか戻るなぁとは思ってたけど、思ってたより凄い水だった。
いや、確かに全回復するって鑑定結果は出てたけど、欠損まで全回復するって思わないじゃん!?
「あかんやん、なんで今まで小ダンジョン潰ししてたやつら気づかへんかったん?いや、ドローンつこてるのは知ってるけどな?ダンジョンに水場があったら疑えや!小ダンジョンだから回復の水じゃないだろうって先入観か!確かに普通のダンジョンでも小さな水場はある!回復の水じゃないやつある!でもこれまで採取もせんでただコア壊してるだけとかもったいない!」
おぉぉっ、佐藤が荒ぶってる。
コタローとコジローも荒ぶる佐藤を心配そうに見ているぞ!
「にゃ」
とりあえず犬二匹には先ほど飲みきった水のペットボトルを渡して、回復の水を入れ直してストレージにしまえと指示した。
『回復の水の効果って、ストレージに入れても3日で切れるのか?』
「………ストレージ持ちはそうそう居らへんねん、知らんわ。そやな、あんたら3匹皆ストレージ持ちやもんな」
佐藤は、遠い目をして、自分のペットボトルの水を捨てて回復の水を入れ直した。
因みにストレージの中は時間止まってるから、たぶん大丈夫な気がする。
さぁて、ボス戦行くぞぉ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます