第10話 ダンジョン研修準備
高校に入学して、二年。夏休み前にダンジョン研修があるのだ。
必須項目だから、体が弱いとか診断書が出なきゃ休めない。探索者登録して、ダンジョンに入ってモンスターを倒す実習だ。
昔は遊び半分でダンジョンに入る人が多くて怪我人が出まくったらしく、免許制にするついでに基礎は学校で学ばせようって決まったらしい。
だから探索者免許の試験で合格しないといつまでも実習が出来なくて、研修期間中に終わらなかったら自費で探索者を指導員に雇ってやらなきゃいけないらしい。
だから夏休み前にやるんだってさ。
だから、病人とか一部の人以外は全員が探索者免許を持ってるんだ。レベルが上がると肉体的に強くなるからダイエット目的で入る人も居るよ。
というわけで、試験も合格してクラス単位で探索者の護衛つきのダンジョン研修です。
武器や防具は学校が用意するんだ、費用は学費に含まれてて、ギルドで販売されてる初心者セットをまとめ買いして安くしてもらってるんだって。
一応、武器は片手剣。叔父さんにちょろっと教えてもらったから他の武器よりはマシだ。
………リュックに応急手当セットを詰めてたらミロクがドアの隙間からジーッと見てる。
「ミロク、ちょっと怖いよ」
「にゃっ」
バレてしまったか。と言いたげに鳴いてからすり寄ってきたミロクを撫でる。
「……にゃにぃ!?」
「ミロク今喋った!?」
ダンジョン研修のプリントを見たミロク。今絶対「なにぃっ!?」って言ったよな?
「にゃ?」
そんな、え?何も言ってないけど?みたいな顔してもさぁ、逆効果じゃない?
ミロクって、猫にしては頭良いけど人間にしたらアホっぽいんだよなぁ。
そこが可愛いんだけどね!
「にゃっ!にゃにゃ!」
ミロクがプリントをタシタシ叩きながら、説明しなさい!みたいに言ってる。
「ダンジョン研修があって、金曜日にダンジョンに行くんだよ。もう免許はもらってるから、ダンジョンに入ってモンスターを倒したら合格なんだ」
凄くびっくり顔してる。かぱーって口開けて、目をガン開き。可愛い。
「にゃっ」
え?何?なんで今「わかった」って感じで頷いたの?
……怖いから、金曜日はダンジョン用カメラ起動してから家を出よう。
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