第9話 ミロクの成長記録
僕、神木颯人の愛猫ミロクが家にきて一年。
とても充実した毎日だった。とにかくミロクが可愛い。ついでにミロクは頭が良い。
トイレしたら教えてくれるし、洗濯機が終わったら教えてくれるし、ドアは開けるし、引き戸は開けるし、それでもおやつの盗み食いはしない。
中に人間入ってるのでは?と思ったことは一度や二度ではない。学校へ行ってる間にペットカメラでこっそりミロクの姿を配信してるが、中々に人気者なのだ。
ただね、ミロク?
パソコンつけてネットで色々検索してるのはなんなの?わかってるの?ご丁寧に履歴まで消しちゃって。
調べものは画面がよく見えなくてわからないけど、猫動画とか見てるのはわかるんだよ?猫が猫動画見るのは楽しいの?
いや、でもミロクのダンジョンニュースにびっくりした顔動画の切り抜きをミロクが見つけちゃって、たまに思い出したように後ろ足で蹴り入れられるんだよね。
ごめんねミロク、サイトは違うけどお前の動画は世間に公開されてんだ。しかも大量にな!
ミロクの成長を見たい叔父さんと、この可愛さを世間に広めなければと思ったギルドの幹部の人が原因だよ。
因みに、ペットカメラの配信先が僕と叔父さんと幹部の人で、それを切り取って編集して動画として投稿してるのはギルド設立のダンジョン配信専門芸能事務所だ。
なんでそうなったか、僕にはわからないや。ダンジョン配信の中に混ざる猫動画として注目を浴びたらしい。
だからか知らないけど、幹部の人がダンジョン配信用のAI搭載自動追尾カメラの最新機を持ってきた。
何か色々説明は受けたけど、とりあえず設定もしてあるから起動するだけらしい。
ミロク、時々トイレの窓から脱走してるから後を追っかけたいみたいだ。素知らぬふりしてるけど、バレてるからねミロク。
ふふ、ミロクは自分の後を追っかけてくるカメラに気が付くかな?ピンポン玉くらいの大きさだから、叩き落としたりしなきゃいいけど。
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