はい!
第8話 神木颯人
両親はダンジョン研究者で、情報管理の関係で研究所内の施設に泊まり込みが多い。
というか、ほとんど家に居ない。一軒家で最新のセキュリティを入れてるのに、もったいない。
僕はほとんど祖父母に育てられた、祖父母が事故で亡くなると、この一軒家で一人。
これまた情報管理としてお手伝いさんとかダメらしい、ばあちゃんが僕に家事を教えてくれてなかったら悲惨なことになっていただろうね。
両親は僕にとってはどうでもいい人達だ、新年にお年玉くれる叔父さんよりどうでもいい。叔父さんも上級探索者として忙しいけど、僕のこと気にしてくれてる。
むしろ親より連絡とってる。
お金はあるけど、愛はない。典型的な御家庭が僕の家だ。まぁ、小さい頃にあの人たちに期待するのはやめたし、祖父母がきちんと育ててくれたからグレることもなかった。
それでも広い家に独りは寂しく、かといってペットを飼っても学校の間は寂しくさせるよな?と諦めてたんだ。
そんなある雨の日に、通学路途中の土手に白いのが見えたんだ。
最初は誰かが捨てた白いゴミ袋かな?と思ったけど、良く見ると動いた。
驚いて近寄ると、それは小さな小さな白い猫だった。
「マジか!?」
急いで仔猫を抱き上げて、近くの動物病院を調べて連れて行った。
獣医さんいわく、産まれてすぐの仔猫で三日ほど入院して様子をみたほうがいい。とのことで、僕はその間に必要なものを片っ端からネットで注文した。
三日後、肺炎をおこすことなく元気にみーみー鳴いてる仔猫は無事に僕の家族になった。
名前はミロク。じいちゃんの部屋に弥勒菩薩様が飾ってあったので。
凄く真っ白で、ちょー可愛い!オスで将来はきっと美猫になる!写真撮って叔父さんに送ったら、ダンジョンの下層に居るから直ぐに会いにこれないの悔しがってた。
え?両親の許可?必要ある?ないよね?高校関係の書類も叔父さんが処理してくれたし。学校もダンジョン研究者ならしょうがないってさ。
僕の家族はミロクと祖父母、たまに叔父さん。それでいい。
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